独特の街区と桜並木、上北沢の個人施行区画整理、北沢湯

京王上北沢駅はおなじみの下北沢駅からはずいぶん離れています。北沢という地域は広かったんですね。上北沢駅から線路に沿って新宿の方に少し戻ると踏切があります。そこから南の方を見ると桜の並木道が見えます。歩いてみると桜の古木がうっそうと茂り、トンネルのようになっています。変わっているのは、並木道沿いに建つ住宅が道路と60°くらいの角度で建っていること、区画道路も並木道から60°の角度で斜めに伸びていることです。地図を見るとよく分かるのですが、並木道を軸に、木の葉のような形で街区が形づくられています。
上北沢は関東大震災後の大正13年、第一土地(株)個人施行の土地区画整理事業で整備されました。関東大震災復興期の住宅地は土地区画整理事業、同潤会戸建て住宅地など、桜の並木道をシンボルとして整備した例がたくさんあります。上北沢は今も桜並木が立派に維持されていて、大きな敷地の住宅街とともに見事な景観が守られています。

先ほどの踏切のところからもう少し東に行ったところに北沢湯があります。玄関は改装してフロント方式ですが、元々は立派な破風の和風建築です。脱衣場、浴室も伝統的な構造を残して、きれいに改装されています。浴槽の背後は定番の富士山と湖(海?)のペンキ絵、深い方の浴槽が熱めで気持ちいい温度です。
北沢湯 世田谷区上北沢4-10-11 15:30〜23:30 水曜お休み(祝日は翌日休み)京王上北沢駅から3分