墨田区白鬚東防災団地と狸湯

隅田湯のあるエリアから東武のガードをくぐって隅田川に近い側に入っても、道は入り組んでいて苦労します。しかしこちらからは、どこからでも西側に大きな集合住宅が見えるので方角は間違えません。団地を目指して行くと、墨堤通りは一段高くなっていてどこからでも最後は階段か坂を登ることになるのですが、目の前に延々と壁のように立ち並ぶ都営住宅群には目を見張ります。壁の「ように」ではなくて、これは住宅であるとともに「壁」なのですが・・・
墨田区墨田は昔ながらの住宅密集地で、車が入れる幅のある通りはほとんどなく、地震や火災が大変心配です。墨堤通りに面して建つ都営白髭東住宅は火災の延焼を防ぐ防火壁であり、西側に広がる東白髭公園に逃げ込んだ人々を火災から守る役割があります。徹底しているのは棟と棟の間も最上階まで鉄の扉で塞がれていること。文字通り鉄壁です。西側の公園へは「梅若門」「水神門」などと名づけられた何ヵ所かのゲートを通って避難します。ただ住宅をまっすぐ並べず雁行させているのと、前の墨堤通りに木をたくさん植えているので、それほど壁の圧迫感はありません。木が多いのも火災の勢いを弱めることを考えているのでしょう。

この防火帯に護られている地区は、隅田湯のある墨田3丁目、田中湯のある5丁目、一番近い2丁目には狸湯があります。狸湯は細い通りを入って行き、さらに入口はレトロな木造のお菓子屋さん(閉まっているようです)の隣にちょっと引っ込んでいます。地図持っていかないとたどり着けないかもしれません。
平らな格天井の脱衣場、坪庭には屋号の通り狸の焼き物が立っています。浴室は伝統の造りをきれいに改装されていて、スイッチ式のジェット、バイブラなど、多彩な浴槽があります。薬湯の方が深くて熱めです。浴槽背景には野尻湖のペンキ絵がありました。
狸湯 墨田区墨田2-21-8 15:30〜24:00 木曜お休み 東武鐘ケ淵駅から8分