慶応グラウンド跡に同潤会千鳥町住宅、草津湯

池上線の千鳥町駅は開通時「慶応グラウンド」という駅名だったそうです。住宅と工場が密集する地区なので、慶応グラウンドがどこにあったんだろうと探してみました。すると池上線と目蒲線(多摩川線)の間、森の湯で紹介した同潤会千鳥町住宅の場所だったのです。慶応グラウンドが日吉へ移転した後、跡地を同潤会が職工向けの分譲住宅用地として購入したようです。あるいは同潤会の職工向け住宅地用に売却する前提で、慶応がグランドを移転させたのかもしれません。あらためて行ってみると、以前は気がつかなかったハーフチンバーぽい切妻、ささら子下見板張りといった同潤会戸建住宅の特徴を残す住宅がわずかに見つかりました。
東急の目蒲線と池上線はもとは別会社だったこともあり、この付近でずいぶん接近していて、慶応グランドと東側の池上競馬場を取り囲むように4駅があります。草津湯もこの中にあって、同潤会住宅からは800mくらいです。(以前紹介した武蔵新田の森の湯はもっと近いです。)草津湯の最寄り駅は矢口渡駅で、駅前の荏原高校通りを環八を渡って北へ三筋目が草津湯です。

玄関を入ると左手は広いロビーです。ゆったりしたソファが並んでビール片手にTV観戦中。ビルの銭湯ですが、天井もまあまあ高くて圧迫感はありません。浴室はとても広くて、特に奥側の横幅が広く、7種類も浴槽が並んでいます。うち一つは黒湯の鉱泉です。浴槽が並ぶ部分は特に天井が高く湯気が抜けるようになっています。この構造はあまり見かけませんが、洗い場の方に湯気がこもらず気持ちいいです。浴槽の背景はダイナミックなモザイクタイルの山の絵です。
草津湯 大田区東矢口2-7-21 12:00〜24:00 不定休 多摩川線矢口渡駅から3分