製靴工業科のスタンダード高校と足立区本木の松の湯

本木新道沿いに興本センター(おきもと)というバス停があります。このバス停の名前は「スタンダード前」から2005年に変更されていますが、このスタンダードって何?
元は渋沢栄一が創業したという大手の靴メーカーで、2003年に倒産して今は工場はありませんが、その跡地には図書館のある地域学習センターのほか、児童館、住区センター、学校、住宅などがあります。
昭和54年まではスタンダード高等学校という全国唯一の製靴工業科を持つ企業内高校もあったそうです。そうするとかなり大きな工場で、体育館、興本公園あたりまで工場の敷地だったかもしれません。

松の湯は興本公園のすぐ東にあり、スタンダードの製靴工場も近かったと思われます。
通りから少し入った千鳥破風の伝統和風建築。玄関には章仙の七福神のタイル絵がありますが、上から張り紙で半分隠れています。
脱衣場は折上の格天井、広い坪庭があり、東屋風に脱衣場から張り出した休憩スペース、籐の椅子などがならんでゆったりくつろげます。浴室も伝統的な造りで、浴槽背景は早川師の西伊豆からの富士山のペンキ絵で、男女にまたがる雄大な富士山です。ペンキ絵と浴槽の間は熱帯魚のモザイクタイル絵。男女の仕切りも幅いっぱいに川と雪の山脈を描いた細密タイル絵です。お湯はそれほど熱くないのでじっくりと絵のパノラマを楽しむことができます。
松の湯 足立区本木2-26-9 15:40〜23:00 金曜お休み 北千住駅からバスで本木2丁目下車