江戸川区新川西水門と鶴の湯

江戸川区内を流れる新川はかつては江戸への物流を支える大切な川で、荒川放水路ができた際には、新川の舟運を中川から荒川につなぐために水位を調節する船堀閘門が昭和5年に設けられました。戦後は地盤沈下で水害の恐れもあって、昭和40年には江戸川からの分岐点に東水門、中川への出口に西水門が設けられるなど、苦労しながら水運はその後も続けられてきましたが、やがて舟運のための水位の維持を断念し、船堀閘門は昭和54年に撤去されました。
現在は東水門は現役で、中川への出口は西水門に代わって設けられた新川排水機場が新川流域を水害から守っています。
新川排水機場の前には橋脚のような古びたコンクリートが立っていますが(左側)、これが西水門のゲートを支えていた北側の柱の部分が残されているものです。東水門と比べると同じ構造だと分かります。

新川沿いは銭湯が多いエリアです。その中で一番中川に近いのが鶴の湯で、新川排水機場からも近いです。船堀には乙女湯、あけぼの湯など温泉銭湯が多くありますが、鶴の湯も黒湯の温泉銭湯です。駅から線路沿いに中川の方へ、住宅街にある建物は伝統和風を改装したもので、千鳥破風がのっています。全体にきれいに改装されていて、浴槽背後は宇宙のような青いモザイクタイルのグラデーションです。うりものの黒湯は浅めでゆったり入れる内湯だけでなく、サイドの屋外に露天風呂もあります。こちらは天井のない本格的な岩風呂の露天風呂で、しかも温泉の源泉ということで、本物の温泉気分を味わうことができます。
鶴の湯 江戸川区船堀2-11-16 15:30〜24:00(日曜は8〜12時も営業) 水曜お休み 都営新宿線船堀駅から5分