小名木川の水運、荒川ロックゲート 丸八湯

荒川放水路から小名木川への入口には、閘門が設けられ、東京への舟運を確保していましたが、その後舟運もすたれて閘門は廃止され、舟での行き来はできなくなりました。しかし最近では救援物資の輸送など災害時の緊急輸送路として水上が見直され、荒川から旧中川、小名木川へ船が入れるように設けられたのが荒川ロックゲート(LOCK GATE)です。東大島駅から荒川に沿った公園を行くと見えてきます。昼間は周囲が公開されているので、水位を調節して船を通す閘門の仕組みがよくわかります。船が通ることはめったにありませんが、観光船のコースに組み込んだツアーもあります。
関西でも尼崎市の尼ロック、淀川の毛馬閘門などが現役です。東横堀川水門の閘門はラジアルゲートで少し仕組みが違いますが、大阪城と湊町を結ぶアクアminiに乗船すればで気軽に体験できます。

荒川ロックゲートのところで旧中川から別れた小名木川の両岸には、「しおのみち」という遊歩道ができています。遊歩道をずっと西へ行き、丸八橋から南へ行くと丸八湯があります。コインランドリーの奥に近代的な和風の建物です。脱衣場は、簡素ながら高い天井で、庭に面した縁台や窓際にも畳敷きの張り出しがあってくつろげます。
浴室は充実した絵が見所です。浴槽の背後は立派な富士山のペンキ絵で、渓流と紅葉、女湯は湖畔の民家という感じでしょうか。男女境の壁は章仙の銘のある細密タイル絵です。描かれているのは海岸、松、浮御堂、島などで、全体に松の緑が占める控えめな絵でが、端から端までの長い絵で、見ごたえがあります。浴槽に浸かる人は、狭い薬湯に集中し、バイブラの白湯のほうはみんな敬遠気味。まだ開店間もなくだったからかもしれませんが、けっこう熱い、けど気持ちいいです。
丸八湯 江東区北砂6-7-3 15:00〜23:00 水曜お休み 都営新宿線大島駅から10分