第159回 ”今、スゥエーデン社会を知る” 講師 上原晟逸 氏

会場 けやきプラザ8F 第一会議室 13時30分〜16時00分
159回 公開講演会 20年9月27日 けやきプラザ8F
[今、スエーデン社会を知る] 講師 上原晟逸 氏
講演内容
1.スエーデンという国
 人口 約917万人
 立憲君主制 議会民主制
 宗教 プロテスタント系 全人口の80%
 気温 日本の北海道並み 
 国土面積 45万平方キロ (日本の1.4倍)
 森と湖の国 国土の6割が森林、湖 8万3千ケ所
 天然資源豊富 鉄鉱石生産額(世界の3.3%)
 水力発電発達、風力発電盛ん 
 南端部は肥沃な穀倉地帯 食糧自給率 80%
 人口の80%が三次産業に従事、 工業製品の半分が輸出
2.政治と国柄
 200年近く戦争をしていない
 品格ある国家 ゴミが落ちていない、街が美しい、藝術が家庭に溶け込んでいる
 姿勢が端正、 親切で礼儀正しい
3.世界一の生活水準を達成している国
1)生活水準 住宅;一人二部屋、 成人4人に一人が別荘、成人6人に一人がヨット 
2)教育水準 いつでもどこでも無料で学べる、大学入試はない、医者の国家試験ナシ
3)労働・雇用水準 労働時間 残業は無い、1日3.5時間で正規社員
 女性就業率 70%、 
4)医療・保険の水準 20才未満医療費無料、1枚の医療カードで共通
5)福祉水準 ・乳幼児・児童ケア
 ・高齢者ケア 最低年金 単身87千円/月、夫婦156千円/月
 ・バリアフリー化 車椅子住宅、3階以上はエレベータ
6)環境水準 京都議定書を上回る、EUにスエーデンモデル
7)地方分権 一括して地方自治体へ
4.指数
 GDP 世界8位(日本14位) 95年統計
 豊かさ指数 6位 (日本11位)
5.税金 44% 
 消費税25%(教育、医療;0%、交通、映画、書籍;6%、食料品;12%)
質疑応答
1.政権?
 エランデル首相が23年間の長期政権を続けて改革した
2.エネルギー政策?
 水力重点、原子力は廃止の方向、風力、バイオで石油消費ゼロを目指す 
3.軍隊?
 徴兵制、軍事費GDP2%
4.何故勤労意欲が落ちないのか?
 福祉国家、福祉成長論
5.法人税?
 25%
6.環境?
 環境立国、「スエーデンモデル」はEUの指導的役割
7.日本が真似すればよいのでは? 
 どうすれば、学者の意見から現実の政治に発展しないのか?
***この点について、「平成研究会で討議を深めたい」
8.アメリカ発の世界経済の動揺は影響を受けるのか?
 ***この点についても、「討議したい」 

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第159回 その2. 「伊能忠敬の経度測定について」
 講師 関谷丞一 氏 平成20年9月27日 けやきプラザ8F
講演内容
1. 人物評価
 伊能忠敬(1745〜1818)は50歳の時、高橋至時に入門して、
1800年〜1816年全国測量を完了した。
伊能忠敬の死後は部下たちによって「伊能図」を完成し。1821年に幕府に上呈されたが、幕府内に伊能忠敬の足跡は残されていない。
1883年香取郡の郡長大須賀庸之助が、伊能忠敬の偉業は国家的大功であると明治政府に上申して正四位を贈り“国家の偉人”として押しあげた。
1903年、矢津昌永は国定教科書制度が発足すると、読本教科書に採用し
1910年に修身教科書にも採用して、偉人として有名になった。
2. 経度の測定について
 伊能忠敬が始めて地球の子午線1度の長さを28.2里=110.85kmを測定した。この値は理科年表(1977)の子午線1°の長さ110.98kmとの誤差1/1000である。

佐原伊能忠敬記念館の資料によると、経度の測定には日食・月食などの天体現象を観測して、その時間差から算出したという。
当時伊能忠敬が使用していた時計は、天文観測用の振子式垂揺球儀で、京都の金工 戸田東三郎忠行が製作したものと言われている。
経度測定は、1815年11月16日、江戸と下田の2ケ所で皆既月食を観測して、その時間差35.81分を測定した。
 X;35.81=360度;10000 
 X=1.2892=1°17′

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