10月15日〜19日の予定で、宮城県大崎市古川の四季彩通り商店街「幸福の黄色いポスト」周辺に黄色い毛糸を結ぶ「幸福の黄色い毛糸」を計画中ですが、黄色い毛糸に「黄色い笹舟」をつけるアイデアを目下検討中です。
そもそも「黄色いポスト」は四季彩通り商店街振興組合の木村理事長が「何か幸福色の黄色いものをつくれないか」と考え、最初は電話ボックスを黄色くしようと思ったらしいのですが、電話ボックス自体が貴重な昨今、なかなか難しく、「じゃあポストにしよう」ということになったと聞いています(いずれにせよ、コミュニケーションツールであるところがおもしろいと思います)。
そしてこの木村理事長の発案で始まったものに、「全国笹舟大会」があります。
先日、第3回目となる大会が行われ、私は残念ながら設置のお手伝いだけして熱気むんむんの大会自体には参加できなかったのですが、理事長といっしょに設置作業をしながらお話を聞くと、「こどもの頃、小学校からの帰り道、この緒絶川沿いに帰ってくると、その流れを見ていて飽きなかったんだよね」ということから、笹舟大会を思い立ったそうです。
「黄色いポスト」にせよ、「笹舟大会」にせよ、木村理事長という個人の思い入れや思い出から発して、それがひとにつたわり、共有されていくという体験、それは目的こそ「まちづくり」ではあれ、かたちとしては私が取り組んでいるアートとまったくおなじものです。
個人的な体験を原点としながら、それを無骨なまでに問うていくと、それぞれの中にある思いや思い出と共鳴し、共感を得ていく。おもしろいんじゃないか、とひとを動かす原動力になっていく。
なんで「黄色いポストなんだろう」と私もずっと思っていましたが、だんだんに自分の中でこの「黄色いポスト」と対峙していくわけがわかってきたような気がします。
(門脇篤)