ここ数年,「NPOの代表でNPOがメインの仕事です」と言っても,7,8年前ほどは驚かれなくなりました.
ただ,年収的なイメージは,200万とか300万とかなんだと思うけど・・・
同時に,ここ数年,「NPOって伸び悩んでいますか?」と聞かれることも増えた.
社会的認知度が上がっているけど,例えば兵庫県のNPOエネルギーなんかも,10年前の方が大きかったし輝いていた気がする.
まあ,NPOの存在そのものが新しかったし,何でもできる的な期待感もあったし.
過去は美化されるものだし,一概には言えないけど.
そして,最近は行政の方から・・・
「うちの自治体では積極的にNPOとかCB(コミュニティ・ビジネス,最近はSB:ソーシャルビジネスというのが日本流?)にお金を出してきたけど,起業系の補助金を出した団体のその後も大きく飛躍できていない気がするし,中間支援系も成長がない気がする.正直,何が足りないと思いますか?」と.
なになに兵庫県庁の人がそう言ってんの?,と思われるかもしれないけど,これは全国共通の自治体担当者の認識です.(%ショボ男%)
今の仕事柄,全国各地の自治体の人や中間支援系NPOと話すけど,多少の温度差はあれ全国共通ですね(%ショボ男%)
で,僕の答えとして,ここ数年は,
「NPOサイドが悪いし,だらしないし,経営能力が無いんですよ」
というもの.
指定管理の単価設定とか,補助率とか,補助金の使途で人件費NGとか,行政サイドの課題ももちろんありますが,そんな些細なこととは比べられないくらいNPOサイドがだらしない...,と思います,と答える.
新しいISO云々というレベルの問題ではなく,もっと根本的に,
「NPOの倫理・モラル」
の問題だろう,なと.
それは,単純なことで・・・
「改善や新商品開発ができない組織は,すぐに存在価値が無くなる」
ということ.
要は,普通の小規模企業がしていることくらいできないと,NPOも先がないということで,極々自然の理.
僕は運良く兵庫県のNPOの初期から動向を感じることができ,8年くらいは中間支援系のNPOで仕事ができ,キャリアを積むことができています.
その中でここ数年強く感じていることは,
「NPOって何?,おもしろそうやんという期待感でお金が出た時代は終わった」
ということ.
兵庫は震災もあって10年くらい社会実験?期間があったけど,他の地域は3〜5年くらいかなと.
一部の指定管理などは表向き期待感とかよく分からない感で,相対的に高い単価水準で出ることも時々はありますが・・・
が,1回目の契約がピークで,2回目の時は減額され,どこで減額が止まるかの戦いになるし...
それも大手のビル管理業者が退職者雇用時給単価で勝負かけてくるし.
そして,ほとんどの行政とNPOの業務委託(≒PPP:Public Private Partnership)は価格競争状態だし.
要は,ある意味,最初の5年くらいが勝負なわけで,そこでミスすると,まあ将来のその地域のNPO全体に悪影響が出てしまう...
なので,各地の中間支援系や福祉系の先駆NPOには,期待するところ大なわけです.
それで,今まさに,社会実験と位置付けてよいステージが,各地で終わろうとしています.
端的にいえば,行政サイドが厳しい財政状況なので,新規予算化が極めて困難,これまで名を変え品を変えやりくりしてきたNPO支援系の予算も減額されている,という状況になっているから.
当然のことながら,地域行政レベルで事業運営できないNPOが,企業のCSR等と業務提携するのは不可能だし.
NPOが依拠する社会的マーケットが小さくなっていくわけです.
(もちろん,若年ホームレス,片親家族の子育て,子どもの虐待など社会的必要は増えていっていますが)
となると・・・世の中の常識では,
「改善や新商品開発ができない組織が退散していく」
はず...
結果,厳しい経営環境でも,改善や新商品開発を行って,次につなげていこうとするNPOが残り,NPO業界全体の状況は良くなっていく可能性が高くなります.
が,しかし・・・現実は・・・,
ミッションを持ちだしてきて,ボランティアベースのNPOとして残ろうとする.
誤解されないように補足すると,ボランティアベースのNPOは社会に必要.
何がまずいかと言うと,
× 前は給料が普通に払えたけど,経営が厳しくなってボランティアベースで生き残ろうとする=経営に失敗したNPO
と
○ 取り組んでいる社会的必要の種類によって,そもそも当初から人件費が捻出できず,ボランティアベースで経営している=本当に必要なNPO
は違うということ.
前者の経営に失敗したNPOは,はっきりいってモラルに欠けるし,行儀が悪い.
NPO業界全体に悪影響が出る.
再度,企画提案力をつけ組織を改善していくという当然のことを実行するのなら,情状酌量の余地はあるけど,実行できないのなら潔く引き際を.(%痛い男%)
兵庫・大阪でも,そんな”行儀悪い”NPOが増えたのでしょう.
全国的にもそうだと思う.
その結果,行政職員やNPO関係者の認識が,NPOの伸び悩みや,補助金成果の満足度の低さ,として表れているのだろうな,と.
と,後者の本当に必要なNPOにとっては,全くもって迷惑な話ですよね(%ショボ男%)
一緒にされてしまうわけで(%ショボ男%)
まあ,行政職員が”目利き”できるようになればよいのですが,行政組織上,個人の判断は入れ辛いしね.
企業とか財団は,目利き力をどのように付けていくかが課題!!(%ニコ男%)