「オレのものはオレのもの」
「お前のものもオレのもの」
そんな考えのジャイアンが先日、エコビレッジに引越しました。
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「今日は晴れてるし車で買出しに行こう。」
「あれー?オレが持ってきた車が無い!?」
「おーい、誰かオレの車知らない?」
「あ、さっきしずかちゃんが乗って行ったよ」
「は?オレの車だよ?」
「は?みんなのじゃないか」
「は???」
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次の日、ジャイアンはジャガイモを収穫しました
ジャイアンは大好きなじゃがバターをおいしく作りました
「いただっきま〜す」
「いっただっきま〜す」
「って、オイ!オレが作ったじゃがバターだぞ!なんでスネオが食べるんだよ!」
「は?みんなのでしょ?」
「は???」
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次の日ジャイアンは寒くて目を覚ましました
「うぇ〜!なんか寒いと思ったら雨漏りしてるぞー!」
「直したいけど引っ越してきたばかりでトンカチまだ持ってないし。
どうしたらいいんだよぅ」
ジャイアンは悲しくなってきました。
コンコンコン
するとドアを叩く音が聴こえてきました
涙を拭ってドアを開けると、できすぎ君とのび太が立っていました
「ジャイアン雨漏り直しにきたよー♪身体冷えてるからお風呂にでも入ってきなよ。
僕達直しておくからさ。」
「は???いいの?」
「いいよ、いいよー。当然じゃない」
「お前ら超いいやつじゃーん!!」
〜 ? 〜 ? 〜 ? 〜 ? 〜 ? 〜 ? 〜 ? 〜 ? 〜
ジャイアンはお風呂に入りながら色々考えました。
オレのものはオレのもの?
お前のものもオレのもの?
オレのものはみんなのもの?
みんなのものはみんなのもの?
オレのものって何?
お風呂から上がると、家はきれいに直っていて
みんながご飯を作って待っていてくれました
「ジャイアン歓迎パーティー遅くなっちゃってごめんね。これからよろしくね」
「そうそう、ここではみんな財産も労働も共有してるんだ」
「それぞれ出来ることをそれぞれがやるんだよ。」
「だからジャイアンが困っているときは助けるし、僕が困っている時はジャイアン助けてね」
「所有」の概念が無いこの村ではみんなで分かち合い、共有する。
財産・労働・土地・時間・価値観・・・
ジャイアンはまだ良く分からないけれど、この数日で少しだけ理解できました。
「あ、そういえばドラえもんは?」
「ドラえもん?あ、必要なものはその都度できる人が生み出すし、
生み出されたものはみんなで共有してるから、安心して未来へ帰っていったんだ」
「この村ではひとりひとりがドラえもんだよ。」
「あんなこといいな♪できたらいいな♪」
そう思った人からはじめて、
「みんな、みんな、みんな叶えてくれる♪」ではなく、
「みんな、みんな、みんなで叶える♪」
それがエコビレッジのうた
「ドラえもーん!」
ここでそう叫ぶと、色々なドラえもんが寄ってくるらしい。
「どうしたの?何か困ってるの?」
「こうすればいいよ」
「得意な私がやるわよ」
「手伝うから一緒にやろう」
未来が少し変わるかもしれない