このNMFの仕組みは,もちろんNPOにとって有利ですが,同時に,魅力的なNPO に助成できるという意味でシアトル市政府のメリットも大きいのです.
なぜなら・・・
現金を用意できることが,組織運営能力が高く事業に魅力があるNPOの条件ではないということで,むしろ,地域からボランティアベースの支持を得ている方が,組織運営能力や魅力を判断する基準として適しているということです.
つまり,
(%涙%)どんなにつまらないNPOでも現金は用意できる
が,
(%ハート%)ボランティアベースの協力は相応の魅力を持っているNPOにしか実現できない
ということです.
NMFの仕組みだと,そのNPOに魅力があるかどうかが自然と分かるのです.
さて,複数・複層のステークホルダー(マルチ・ステークホルダー)に支えられている魅力的な,情熱に裏付けられた社会的起業家精神を軸に組織づくりをしているNPOに対して,キャパシティビルディングの部分,つまり起業期に最も必要とされる人件費を柔軟に賄える資金を提供することで,そのNPOが,社会に貢献しつつ大きく羽ばたけるようにすること,そのダイナミックな変化の部分に関わることが,社会に最も評価され,最も価値が高いサポートです.
SDFが目指すのはそんなサポートです.(%ニコ男%)
(Nijinsky)
シアトル市のNeighborhood Matching Fund(NMF).
NPOのキャパシティビルディング(組織基盤整備,組織力の向上)を実現するために,良くデザインされた助成金です.
それこそ理想的な.
NMFは,大きく分類するならばいわゆる50%助成です.
シアトル市政府が助成するのは資金(現金),一方のNPOが準備する50%分は,同額分の資源(ボランティア労働力、場所代換算、専門家のアドバイス料換算など)です.
ここで重要なのは,NPOは同額(50%分)の現金を用意する必要が無い,ということ.
図だけ見れば日本でもよくある50%助成との印象となりますが,中身は全く異なります.
現金を用意しなくても,相応の資源を用意できればOKなんです!!(%笑う男%)
「これならめっちゃ簡単やん(%ニヤ女%)(%ニヤ男%)」というNPOは多いでしょう.
さらに,NMFはNPOによく配慮された助成金です.(%笑う男%)
まず,NPOが用意する資源の換算基準.
場所代,専門家,ボランティア,資金の4種類が認められていて,場所代と専門家は時価,ボランティアは15ドル/時で換算されます.
現状は,NPOが調達する資源は殆どボランティアで積算されているとのこと.
それも,マクドのアルバイトの倍近い時給換算です.(%ショック男%)
次に,SCG関連の資金・資源でない限り,州政府や連邦政府の資金や民間財団の資金・資源をNPOサイドで算入することができる点.
例えば,シアトルに縁のあるマイクロソフト財団やゲイツ財団の資金を同一プロジェクトでNMFと一緒に利用できます.日本ではNGですね.