NPOのキャパシティビルディング

Capacity Building(キャパシティビルディング).(%ニヤ男%)

日本ではまだ聞き慣れない言葉だと思います.
→ミネルヴァ書房の「よくわかるNPO・ボランティア(川口,田尾,新川編)」は,いわばNPO・NGO・ボランティアの用語集で,わかりやすくまとまっていると思いますが,キャパシティビルディングの項目は入っていなかったですし...

2004年11月にミネアポリス,シアトルとNPOの調査に行った際に,NPO,企業の社会貢献担当,寄付財団(企業系及びNPO系),Seattle City Government(SCG)など立場の異なる主体全てが,「キャパシティビルディング」を強調していました.

キャパシティビルディングをWeb検索すると,まず途上国の開発などの文脈で引っかかります.途上国の社会経済環境は,Social Capital(社会関係資本)とHuman Capital(人的資本,個人レベルの能力)が相互に密接に連携しながら,社会経済環境を悪化させる危険性に常にさらされているといえます.
例えば,教育水準の低さ→犯罪率の上昇→安全や信頼の低下→経済的取引・社会的取引のリスク増大,といったプロセスで,社会基盤を破壊していくわけです.

キャパシティとは,広い意味の社会経済基盤(それもソフト面の意味合いが強い)といえ,社会経済の基礎体力のようなイメージです.
これは,基礎体力が無い患者にどれだけ治療しても効果が無いのと同じで,基礎体力が無い社会経済にどれだけ資源を投資しても効果は期待できない,したがって,キャパシティビルディング=基礎体力向上・強化をまず行わなければならないということです.

この観点はNPOでも同じことで,(%星%)NPOのキャパシティとは,組織基盤,すなわち,事務局機能(企画・運営,情報発信,会計など)を担うコアスタッフのことといえるでしょう.まずここに優先的に資源がまわる発想・仕組みがないと,NPOセクターが社会に産まれ,根付くことはないのです.

日本では,行政系の助成はもちろん,企業財団などの助成でさえキャパシティビルディング部分はNGという状況です.「こんなに手間だけかかって何も残らない助成金なら,最初から申請しなければよかった」というNPOからの声もよく聞きます.(%ショボ男%)

SDFでは,「NPOのコアスタッフの人件費」に対し柔軟に使用できる資金を,NPOと一緒になって調達していきます.(%笑う男%)
単にNPOが求めているからだけではなく,折角の資金が生きたお金になるよう,キャパシティビルディングをサポートし,そのNPOが,社会に貢献しつつ・社会的責任を果たしつつ,大きく羽ばたけるようにすること,そのダイナミックな変化の部分に関わることがSDFの目指すところです.(%笑う男%)
(Nijinsky)