テーマは,(米国の)財団が資金提供したいNPOという感じ.

CSRなんかも含め,グーーンと成長しそうなフェーズのNPOに資金提供する,というのは,実際にヒアリングに行っても感じた.
規模が大きいところは,どこかの企業とか財団の手垢がついてて,二番煎じになるから,普通は敬遠される.
(その意味では,日本の企業は,めっちゃいけてない(T_T)
「他の企業が応援しているから安心」という,なんともいけてない発想があるかなと.)

あとは,プログラムオフィサー(PO)とかファウンダーの査定にも響くんだと思う.
アメリカの財団の場合,
PO1人くらいの小さな財団からキャリアが始まって,
中規模の財団へ転職して,
最後は大規模の歴史ある財団へ,
というキャリア形成になっていて,まあ,しょーーもないNPOに自信をもって助成していた人には,上から”お声がかからない”.

逆説的には,大規模の財団が,相応の目利き力を持っているのは,この個人のPOのキャリアに依存している.
最初の頃,最前線で経験して身に付けた目利き力が生命線.

この点でも日本の助成機関はいけてない.
全国規模の財団とかは新卒でPOを雇うでしょ.
世界の常識からはありえない(^-^).
まあ,NPOの最前線を経験したPOが,そもそも日本には数えるほどしかいないから仕方ないけど...

POのキャリアアップは,日本の方が難しい感じ.
POのキャリアをちゃんと評価できる財団が極僅かだし,そもそも地域レベルでPOとしてキャリアを積める環境に無いし.
「POとかファンドレイザーを募集します」って地域の寄附基金があるくらいで,
”開いた口からさらに顎外れる”くらいの低レベル.
(いっそ税金返せと内閣府へ訴状出すか(^-^))

とはいえ,全国規模の財団のPOの目利き力を研修で強化できるか?,といえば,
答えはNO.
それゆえ,いまだに煩雑な申請書&報告義務が残る.
その煩雑さをクリアできるNPOであれば助成しても安心,という踏み絵になってる感が否めない.

じゃあ,その煩雑さをクリアできるNPOはいけてるのか?,と問われれば,
答えはNO(^-^)

よほど暇で書類作業の時間があるか,管理費をかけてて余計な人がいるか,まあ,中には精鋭の人材がいるケースもあるけど,確率的には,いけてないNPOが圧倒的に多い.
要は,大切な現場が手薄(または空想世界)ってNPOが,煩雑な報告書をクリアできるだけで.

ここで,財団とNPOの距離感は重要かも.
ゲイツ財団とかは違うけれど,要はPOが地域の課題を理解できる範囲で,かつNPOをみてまわれる範囲で助成している財団が,割合的には95%くらいなんじゃないかと.
助成のきっかけからして,
日本:申請書提出
アメリカ:POがいけてるNPOを発見.これだと社会的投資へ発展できる.

なので,まあ,日本は当分かわらないねぇ(^-^)

というわけで,日本は,NPO,企業CSR,財団それぞれが,”お互いさま”って感じでレベルが低い(^-^)
前向きに言えば,発展の余地が大きい.
今は,企業CSRがこの発展の余地に敏感になってきていて,アタマ5つくらい抜き出てきた感あり.
ただ,当然ながら,東京の企業のセンサーでは,組めるNPOを見つけられない.
アタマ5つくらい抜き出て分かる現実(^^ゞ

魅力的案件発掘がなにより大事.
その案件(≒人または人たち)のフェーズが,”さあこれから”って起業期であり,かつ普通の人であるほど,我々地域のNPOにとって有意義.
それはすなわち,財団とか企業CSRにとっても意義が高い案件になる(はず...).

アショカとかは,ソーシャルな業界のエリート中のエリートを選抜するという印象.
ビジネスモデルとしては合理的と思うけど,じゃあ日本の兵庫ってローカルからすると,大きくズレてると思う.
先のPOのキャリアパスなんかも背景は同じで,魅力的な案件の成長と共に,POも成長し,その成長エネルギーの波及効果こそが地域にとって必要なんだと思う.
でいくと,アショカとかは確実に成長する(または既に成長している)人を囲い込むわけで,やっぱり地域からするとズレる.
それまでその人を応援してきた財団とかの功績をかっさらう,と言える面もあり.

成長期のベストタイミングで資金助成できる財団のPO,
というのが原則(理想じゃない!)なんだけどねえ.
セミナーとかで会ってるレベルでは何も始まっていないし.

例えば,この前会った東京のNPO主催のイベント,あれは決定的に欠けているものがあって.
目の前に現場の感動がないのよ(^-^)
感動的な良いイベントでしょって主催者から上から目線で来られるけど,日々,もっと感動的な場面をみてきた者からすると,別に何も感動しないの.
あの手のイベント(T_T)

なので,兵庫のいけてるNPOと提携して,うまく全国へもっていけば引く手数多になる.
ただ,その”いけてる”を,東京の人とは感覚的に共有できないので,共有できる”いけてる数社”を狙い撃ちするしかないのだけど...
または,”いけてるPO”を.

兵庫は全国一(≒唯一)のモデルエリアとなる.
都市部があり,農・漁・林があり,交通・物流の要所であり,なにより民度が高い(そもそも高いのに加え,阪神淡路大震災後の経験がある).
観光資源もある.
そして富裕なエリアを持っている.数も新興もあわせて.
大手企業の生命線である富裕層マーケットを,兵庫のNPOは自然と持っているわけ.
これは,大阪は局地的にしかなく,また大阪のNPO(特に大阪市内)は目先の利にしか興味が無いので,兵庫・神戸は圧倒的に有利.

ここ数年,経産省の仕事で全国をまわってみて,兵庫・神戸の優位性を再確認.

というわけで,私&ソーシャル・デザイン・ファンドにとって,兵庫・神戸で,このポジションで10年仕事してた,というのは,かなり有利なのです.

最後に宣伝(^-^)
このあたりの話も入っています.
「封印していたNPO・PPPに関する研修再開」
https://www.voluntary.jp/weblog/myblog/137/42529#42529