バンコクで働いてる日本語教師から、記事が届きました!
写真は日本語学校とは関係ありませんが、友人とタイの屋台でサソリを食べたときのものです。
【バンコクの朝のこと】
バンコクの朝は早い。めちゃめちゃ早い。一国の首都で大都会なのに、鶏の鳴き声で目が覚める。6時ごろにはすでに朝食を売る屋台が出ている。コンデンスミルクのたっぷり入ったやたら甘いコーヒーや紅茶を売る喫茶店屋台。揚げパンと豆乳の店。ジョーグと呼ばれるお粥を売る店。米でできた麺『クウァイッティアォ』を売る店。売っている人はやたらと元気だ。もちろん、買っている人もみんな元気だ。日本の朝の通勤電車に乗る人と比べれば、同じ人類と思えないくらいの迫力だ!
バンコクのOLの朝は適当だ。もちろん適当でない人もたくさんいるのだが。でも、日本人の目から見て大雑把で乱暴な感想を言うなら、適当だ。バンコクは毎朝、渋滞する。そしてバンコク市民の主な交通手段はバスだ。バンコクでは渋滞で遅刻するのは仕様がないことになっている。「すいません。渋滞で遅刻しました。」遅れてやってくる。その手には通勤途中で買った朝食の入った袋がしっかり握られている。デスクに座り、そしておもむろに引き出しからマイどんぶりを取り出し朝食にとりかかる。
「もうすぐ、学生さんが来るから一緒に教室を掃除してくれないかな?」
「えーと、今、私はこの暑さの中、渋滞に耐えてやっと会社にたどり着いたのよ。とてもじゃないけど、今すぐには動けないわ。」
仕様がないので一人で掃除する。
バンコクの通勤手段としては人が満載のバス。渋滞が激しいので後続の同じ路線のバスが追いついてしまい、30分以上待っても来なかったバスが3,4台連なって来たりする。
あと、バンコクらしいのが水上バス。バスといっても船なんですが。バンコクはかつて、東洋のベニスと呼ばれていたらしい。今も水上バスが何路線か運河やチャオプラヤー川の上を走っている。生活用水が流された茶色く泡立つ運河の上を、ディーゼルエンジンを全開で回し、真っ黒な煙を出しながら水しぶきを上げて走る。水上バスの両側にはビニールのシートが貼り付けてあり、乗客は協力してビニールシートを持ち上げ水しぶきから自らを守る。
バンコクの朝は無秩序で乱雑でパワフルで活気があった。私は屋台で朝食を食べながら、頭痛がするほど甘い紅茶を飲みながら、そんな朝の風景を眺めるのがとても好きでした。