視覚に障がいがある方への情報提供は、点字に加え音訳でも行われています。
しかし、音訳の記録メディアはカセットテープから、MD、CDなどに変わり、再生機器においてもカセットテープ再生機は、全てのメーカーで生産終了となりました。
また、三木市による日常生活用具給付事業においても、カセットテープレコーダーが給付対象から削除され、DAISY方式による再生機と変わっています。
そこで、三木における対応策を行政と市民活動者の両者で考える協働会議が行われました。
協働会議とは・・・?ここでおさらいしておきましょう・・・。
①ビジョン、方向性、情報の共有を行う会議です。
②話し合いだけだとそれぞれの主張止まりになってしまいますが、ラウンド・テーブルで妥協しながら合意形成することで、より課題の解決を実現可能なものにする会議です。
③合意形成する段階から実行の段階まで各セクターが互いに監視し、平等な立場で目的達成を目指すための会議です。
4月9日(金)に第1回目協働会議を開催しました。
内容は、①デジタル、アナログの利用者状況、②三木市におけるデジタル化移行計画についてでした。
利用者の報告については、音訳ボランティア活動グループの三木市朗読ボランティアむれの会さんと吉川町を活動エリアとする朗読ボランティアほんわかいさんから現在のリスナーの把握人数のご報告をいただきました。
約50名のリスナーのうちデジタルメディア再生機(プレクストークなど)所有者は13名であること、持っているけど使えない方や持ちたいけど使いこなせないだろうと思い込んで購入をためらっている方が結構いらっしゃることなども教えていただきました。
国からの補助事業が平成17年よりデジタルメディア再生機に変わったため三木市においても日常生活用具給付事業対象をカセットテープ再生機からデジタルメディア再生機に変更したとか・・・。
給付事業の対象が変わりました・・・だけでは終わることができない視覚に障がいがある方の日常生活の現状とどんどん進むデジタル化を踏まえ、三木市においてどのような移行計画が必要か話し合いました。
視覚に障がいがある方に向けてお互い何ができるのか・・・。
①移行にむけた可能な役割について
○移行時期や使用説明方法などの啓発・・・(行政)
→行政(障害福祉課)が8月もしくは9月の広報みきの紙面を確保する。
→障害福祉課の窓口に来られた際に、福祉のてびきの配布時などに合わせての移行についての詳細が書いてあるちらしの配布や説明・・・(行政)
*ちらしの素案はボランティアグループろ社協で作成。出来上がり次第、行政と校正して作成に至る。
○移行時期をいつにするのか?
→器機の劣化や故障を考えると早い移行が望ましいと考える。
使用説明にあたるボランティアグループの都合や説明に対する力量や方法もあることからボランティアグループで移行時期や説明頻度を決めることとなる。
○使用説明について
→ボランティアグループで使用説明を行う。
使用説明方法は視覚に障がいがある方が持っている物を使ってマンツーマンで行いたい。1回の説明で上手くいくとも限らないため、必要に応じた訪問型とする。
○ディジー化にむけての活動者側の研修をどのように行うのか?
→研修の計画をボランティアグループで企画し、実施していくが行政のバックアップも前向きにお願いしたい。
○ディジー機器の整備はどのように行うのか?
パソコンをはじめ、マイクなど必要な機器がまだまだ必要である。ボランティアグループも民間助成金などを申請し、今までそろえてきたが、今後は三木市の方でも機器の整備を検討してほしい。
→三木市として、対象となりそうな県や国の補助事業を今年度から申請していきたいと考えている。それが無理であれば情報保障でお世話になっている各課と予算化にむけて話し合いを持ちたいと考えている。
これを機会に、多くの視覚に障がいがある方の情報量や図書などが充実し、より豊かな生活に結びついていくことに期待できればと思います。