ニホンアカガエルの産卵について、途中経過を報告します。
今年は寒さが厳しかったせいか産卵の出足も遅く、卵塊数もかなり少なかったのですが、今週の雨の翌朝が怒涛の産卵ディだったようです。昨年に近い数に届いました。たくさんのニホンアカガエルが谷津で生き抜いてくれていたことになります。感激です。
写真は産卵してあまり日数のたっていない卵塊です。ゼリー状にひと塊になっていて、透明感があり、コンパクトにまとまっています。
こちらが産んでから日数のたった卵塊。ふやけるのか(?)一粒一粒も大きくなって汚れた感が。野鳥にとっては冬場の貴重な食料なので、鳥がつついてばらばらになったりもするようです。
新米谷津守人は、卵塊調査で前回カウントしたものと新たに産卵したものとをどう判断するのか不思議でたまりませんでしたが、この見た目の違いで判断できると先輩守人から教えていただき、なるほと!と合点がいったのでした。
しかし、卵塊を数えるって、簡単ではありません。新米には手前にあるものくらいしか見つけられません〜。ニホンアカガエルの卵塊調査は保全活動を行うにあたり、重要な指標になるので、先輩守人の確かな目でカウントした数字の意義は大きいです。
以下、参考までに、ニホンアカガエルについて日本自然保護協会のホームページに書かれていた内容を紹介します。
アカガエルは春先の一番早い時期に卵を産むカエルです。本州にはニホンアカガエルとヤマアカガエルの2種類が生息しており、成熟した雌が毎年ひとつの卵塊(たくさんの卵の集合体)を産みます。早春に卵を産むのは、水生昆虫やヘビなどの天敵を避けてなるべく早くオタマジャクシを大きくする戦略だと言われています。
カエルと言えば水辺の生きものだと思われがちですが、夏の間アカガエルは草地や森の中で生活しています。秋から冬の間に水辺に移動して冬眠し、春先になると水が浅くたまった水田や山すそのくぼ地・ため池などで産卵し、産卵が終わるとまた冬眠してしまいます。
アカガエルは少しぜいたくで、夏でも乾燥しない広い森、春先に水がたまる湿地や水田、道路やU字溝で森と水辺が分断されていない、といった環境がセットで必要です。この環境はほかの多くの里やまの生物にとっても大切なため、アカガエルの卵塊が毎年たくさん見られるということは、森と水辺の状態が良好である指標と言えます。