里山保全の指標となっているニホンアカガエル、今年も卵塊が確認できて、谷津守人一同ホッと安心している?いえいえ、心配は尽きないのです。谷津にはドアも鍵もありません。
卵塊やオタマジャクシを持って帰ってしまう心無い人がかつていたようです。ネットで検索すると、ニホンアカガエルを売っているサイトを容易に見つけられます。
ニホンアカガエルは千葉県では絶滅危惧Ⅰ種に指定されている最重要保護生物です。かつては珍しくなかった日本固有種のニホンアカガエルが、都市化によって田んぼが急激に減り激減しました。生きていける環境がなくなってしまったんですね。絶滅しないようにするためには、かつて普通に生きていた環境を増やさなければいけません。谷津での耕作放棄田を復田しての米作りって、収穫も嬉しいけれど、それよりなによりここにある命をつなぐためなんです。
ちょっと熱く語ってしまいましたが、多くの方の努力によって、今、谷津では最重要保護生物であるニホンアカガエルがかつての数には及ばずとも普通に生存し、卵を産み、その卵がかえって小さなオタマジャクシになり、田植えのころには小さなカエルになります。カエルは谷津の生態系のピラミッドの底の部分に位置しますから、あるものは鳥に食べられ、蛇に食べられ、限られた数だけが成長して、春に水辺に帰ってくる。そういう普通の自然を、皆であたたかく見守ってください。
誰かが家で楽しむためや、商売で儲けるための命では悲しすぎます。
沢山の方に、谷津の自然の中で、是非ニホンアカガエルと出会ってほしいと願います。