本日から、手賀沼公園にあるアビスタ1Fロビーにて、谷津の写真展が始まりました。
今回のテーマは「米作りと谷津のいきものたち」。
谷津にとって田んぼが大切で、田んぼによって生息できるいきものたちがたくさんいるということを伝えたいなと、たくさんの植物、昆虫、鳥などを紹介する形で展示を作成しました。
そんな趣旨を書いたボードが、思いが強すぎたのか(笑)字数が多すぎて、文字が小さく読みずらかったので、ここで紹介します。
米作りと谷津のいきものたち
岡発戸・都部谷津(おかぼっといちぶやつ)は、東西に長い我孫子市のほぼ中央にあり、利根川と手賀沼を結ぶ水と緑の回廊として、豊かな自然が残る貴重で希少な谷津です。
かつて、谷津は、水田耕作を主とした豊かな農村で、田んぼや水辺、雑木林が集落に隣接する里山の自然環境は、多様な生き物が生息する場所でした。しかし、時代の流れで耕作が放棄された田畑や林が増え、美しい景観と多様な生き物が生息し続けることが難しくなりました。我孫子市では、池や湿地環境の再生を図り、郷土の生き物を回復し将来に伝えていくために、2002年にこのエリア(36.7ヘクタール)を丸ごと保全し、かつての農村環境の復活を目指す「谷津ミュージアム」事業をスタートしました。
あびこ谷津学校友の会は、市民ボランティアとして谷津の保全活動を続けて十六年になります。活動の大きな柱は、耕作放棄田を借り受けて復田し、昔ながらの無農薬での米作りを行うことです。米作りをすることで生き物たちに必要な水辺が確保され、生態系ピラミッドが機能します。このバランスを保つ手助けをするのが保全活動なのだと思います。
長靴を履いて田んぼに足を踏み入れると、たくさんの生き物たちの命がそこにあることに驚かされます。虫や植物の小さな命が、他の生き物の命になって、またその命がほかの生き物の命になる、絶妙なバランスで繋がり合って、多様な生き物が存在していることに感動します。そんな思いを感じていただけたらと、早春から始まる米作りの作業にあわせて谷津の生き物たちをできるだけたくさん紹介したいと考えました。あたかも谷津にいるような気分になって、生き物たちがどう関係しあっているか想像しながら見ていただけたら嬉しいです。
コロナ禍で、谷津を訪れる人が増えたようです。街とは一線を画した里山に身を置いて、土の刷毛の道を散歩するのは最高に気持ちいい時間です。密にならずに、その時々の植物や生き物との出会いを楽しんでいただきたいなと思います。それから、谷津の保全活動にも興味をもっていただけたら幸いです。休耕田はまだまだあります!
2021年3月2日 あびこ谷津学校友の会
写真ボードは是非会場でご覧ください。
3月15日16時まで開催しています。