セミナー「やっぱり千里で暮らしたい!<戸建編>」第4回開催!

9月23日(祝)、コラボ・住まいのセミナー「やっぱり千里で暮らしたい!<戸建編>」第4回「まちとつながる庭・みどり」を開催しました。

今回のスピーカーは、気鋭のランドスケープデザイナーで、千里の名物イベント「千里キャンドルロード」の会場設計も担当している吉武宗平さん。千里ニュータウンのおとなり、東泉丘にお住まいです。「自分はマンション暮らし(専用庭付き)なんですが…」と断りながら、長年の仕事の経験から得られた豊富なヒントや「庭とまち」の考え方、苦にならない庭の作り方などをわかりやすく話していただきました。

GARDENの語源はGAR(囲われた)+EDEN(楽園)。しかし囲われた自分の領域であることを超えるところから、「集まって住むこと」の楽しさが広がっていきます。それが「ランドスケープデザイン」の考え方です。阪神大震災後のJR六甲道駅南側の再開発では、建て込んだまちなみに「空いた空間」をつくり、そこに人々の暮らしがにじみだしてくる効果を狙って、まちの人々が一体感を持てるような設計がされています。

千里ニュータウンでは、戸建は住宅戸数の約15%を占めるだけですが、宅地面積では約50%を占めています。つまりまちの景観への影響が大きい。緑の量は多いですが、石垣と道路からの段差によって、空間としては閉鎖的です。どうすれば楽しくなるのでしょうか。

そこで「ランドスケープデザイン」の考え方の登場です。公共空間と私有空間をつなげ、「景観を開いて」、両者の中間領域「セミパブリックスペース」を作る工夫はどうでしょうか。庭をご近所や仲間たちとのコミュニケーションの場にするのです。

兵庫県の三田や、泉北ニュータウンでは、ご近所の人たちが少しずつ仲間を増やして、オープンガーデンのまちなみを作っている場所があります。人に見てもらうと、はりあいが出るのです。横浜では自宅でパン教室を開いている主婦が、「庭先カフェ」を開いているケースもあります。お店を開くのは大変ですが、単発の試みならハードルは低いでしょう。千里でも庭をバラ園にしていたり、ガーデンパーティーを開いたりして楽しんでいる人がいます。

あるいはガレージセールやガレージパーティーを開いて、断捨離と人集めを一緒にやってしまうという手もあります。千里の戸建はガレージの扉が道に対して不愛想な顔になっている家が多いので、これを楽しくできれば可能性は無限大です。

ローメンテナンスの庭を造るにはどうすればいいのでしょうか。その場所の環境に合った植物を選んでください。自然に生えてくる雑草は、その環境に合っているから生えてくるのです。宿根草で植え替えの手間を省いたり、ウッドデッキや砂利敷きを取り入れて手間をかける場所を狭くしたり、菜園のように「見返りがある」ものを植えることでも、メンテナンスの負担感は減らせます。

楽しむことが大切です。造園屋さんなど、プロとも上手くつきあってください。仕事を出さないと、プロも育ちません。そういうことを昔の人はよくわかっていました。

…といったお話で、「まち」と「ひと」をつなぐネットワークとしての庭の意味が、あらためて見えてきました。

第5回、第6回も多数ご参加ください。

コラボ・住まいのセミナー
「やっぱり千里で暮らしたい!<戸建編>」
第5回 「わが家を空き家にしない方法」
●講 師:寺脇和雄(建築デザイナー、千里・住まいの学校代表)
●日 時:10月28日(土)14〜16時
●場 所:豊中市千里文化センター「コラボ」第4講座室
戸建×高齢の暮らしは孤立しやすいと思われがちですが、庭やリビングを人が集まる空間に変えてみてはどうでしょう。新築時から交流スペースを確保しておくとさらに可能性が広がります。交流や共有のある住まい方を一緒に考えましょう。

(予約優先・コラボへ直接または電話で→06−6831−4133