18日(日)午後、名月窯主宰 合同会社能勢さとやま創造館代表の小谷義隆さんをお招きして、セミナー 「和の伝統をくらしに活かす−能勢菊炭の話と“飾り炭”づくり」を開催しました(参加者8名)。
猪名川上流における炭焼きは、銅の精錬用の燃料として盛んになり、その後菊の形に似て気品があることから、竹野紹鴎や千利休によって茶道に用いられるようになったそうです。
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北摂で上質な菊炭が生産されたのは、気候や土壌がクヌギの生育に適していたことによるようです。しかし生産農家は、猪名川流域で5軒(能勢町は1軒)になり、若手の小谷さん以外は高齢化が進み、技術の継承が危ぶまれています。
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炭焼きが12〜4月の寒い時期に行われるのは、クヌギの水分が少なくなり、炭焼きに適しているからのようです。原木を窯に入れて炭を出すまでに、約10日を要し、その間水蒸気の色などを見ながら空気を入れる口の大きさなどを加減するそうです。
最上級の炭は、見事なまでに菊のような美しい断面をしています。
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炭は、燃料の他に、脱臭、調湿、炊飯、風呂、野菜の鮮度保持など幅広い用途に用いられていますが、これは膨大な数の気孔があり、それらの総面積が広く、ミネラルを含み、熱せられると遠赤外線を出すなどの特性によるものです。
小谷さんは、美しく気品のある菊炭を”生活の中の癒し空間を演出するインテリア”として、生活の中で楽しむことを提案しています。
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そのひとつとして、お話のあと各人の感性に合わせて菊炭を切り、篭に入れて”飾り炭”をつくり、家に持ち帰りました。
暮らしの中の癒し空間づくりにヒントを与えてくれる菊炭を通じて、これからも小谷さんや能勢町と交流していきたいと思います。
※千里・住まいの学校は、菊炭の普及・活用を応援します。
ご希望の方は住まいの学校まで
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