何年か前にも同じ事かいたんですが、
桜は恋愛上手なのです。
本体はなんということはない木なのですが
この春のたった数日間という間に
なんという大勢の人間をこころを満たして
そしてあっけなく去っていく
また来年ね…と。
揺さぶり上手。
きれいだと思った瞬間、
同時に、ああもうすぐいなくなってしまうんだな
と思わせるテクニックは誰ひとりとして
追随をゆるさないでしょう。
桜の美しさの下で結ばれる男女もいれば、
桜の下の酒によって酌み交わされる友情があり
まったく知らないおっちゃんおばちゃんでも
こんな僕に声をかけて
「桜、もうすぐ咲きそうやねえ」
と言ってくれる。
「ほんまやなあ、今週末ぐらいが満開かなあ?」
と、言葉をかわしてからうれしくなる。
われわれ日本人は桜に恋をする。
つぼみを見守り
満開に感動し
道ばたが桃色に染まりだすと
ちょっっぴりセンチになる。
桜をどう撮ったって桜でしかないが
毎年高級レンズに投資する人も後を絶たない。
君が風に舞う髪かき分けた時の淡い香り戻って来たら
きっと感動するんだろうなあと思う。
桜はこの4月のはじめだけ自分の周りに集まってくる
僕たちをどんな風に見ているのだろうか
個人的には
こどもを見る親のような気持ち
だったらステキだなーって思う。
写真は王子公園での桜の通り抜けでの一枚。