松尾湿原の植生調査と保全活動

・期 日 2014年5月24日(土)
・場 所 松尾湿原
・講師 福井先生
・参加者 小川、西川、柿本、安藤、山根、伊藤(格)、伊藤(千)、
西村、東田、濱田、國田、森川(久)、青野、赤松、岡崎

◎5月21日は二十四節季の’小満’。昨年秋に撒いた麦などの穂がつく頃で、ほっと一安心(少し満足)すると言う時期であるそうです。色々な物の命が満ちてくる頃であり、爽やかな五月晴れやぐずつく五月雨のどちらも命を育む大切な自然からの贈り物でもある季節。
その’小満’も過ぎた24日、五月晴れの爽やか天気のなか、予定通り9時30分、宝塚駅前を出発し時間通りに宝塚自然の家に到着。伊藤さんご夫妻、福井先生と合流し松尾湿原に向かいました。
今日の予定は、湿原観察及び植生調査です。
湿原観察は全員が福井先生について、湿原全域の様子を見ながら、草木の名前の確認をしました。植物一覧には無かった、クマイチゴ(棘だらけの草)、オオバノトンボソウ(ラン科の植物)、ホウの木もありました。
福井先生に湿原の状況(感想)を尋ねると、「非常に良い状態が保たれている」と言う事で、みんなで保全活動を続けてきた賜物であると感じました。

・写真(右上)は湿原観察の様子

◎湿原観察のあと、植生調査を行いました。2〜3人のグループに分かれて、ヤチカワズスゲ、オタルスゲ、ヒメハギ、シライトソウ、チゴユリの5種類について調査を行いました。

・写真は植生調査の様子

◎ハッチョウトンボを発見しました。
じっくり観察をした結果、観察橋より「下の部分で7匹を確認しました。以外に早い時期から飛んでいました。まだ羽化してから時間が経っておらず、真っ赤な色の雄はいませんでした。

他に湿原内で、シオカラトンボを3匹、ムギワラトンボを2匹、オニヤンマを1匹確認しました。
また、毛虫やその他色々な虫や蛇の抜け殻もありました。草木も色々な物が芽吹き、これから大きくなろうとしており、まさに命が満ち満ちていました。

・写真はハッチョウトンボ(発見)の様子

◎オタルスゲ群落部分で、モニタリングポイント6番周辺の草を部分的に刈取りました。
高茎草本であるオタルスゲやススキが多く茂っている場所を、カキラン、サワヒヨドリ、サワギキョウ、ミズギボウシ等の中低茎草本が茂る環境にするためのテストケースとして、モニタリングポイント6番の下約1.5m地点より、6番を含む幅約3mで湿原上部方向に約7mの部分の草の刈り取りを行いました。カキランが数本あったので残しました。今後、状況を見ながら高茎の草は随時刈り取って行く予定です。
夏場(8月頃)に刈り取るのが理想とされているのですが、夏場に全体の草刈をするのは不可能なので、範囲を絞って随時刈り取りを行うものです。
刈取り範囲設定については、福井先生のご指導の下行いました。

・写真は高茎草本(オタルスゲ群落部分)の部分刈り取り作業の様子

◎午後は、カマドがあった場所の湿原化の状況を福井先生に見て頂き、水がどの程度出ているかの確認の為、一部土を取り除き状況を見たところ、ピンポイントで水が出ているのを確認しました。穴をそのままにし、しばらく様子を見る事にしました。

湿原観察の際に見つけた’トゲだらけのクマイチゴ’は危険な為、刈り取る事にし、背の高い草もついでに刈り取りを行いました。刈り取った草の処理を行った後、予定通り2時30分帰路につきました。

集合写真は広場で運動をしておられた方にお願いし、シャッターを押して頂きました。
また、今回の写真は伊藤さんにお願いし撮って頂きました。

みなさん暑い中ご苦労様でした。(記:岡崎)

・集合写真