・期 日 2016年7月16日(土)曇りのち晴れ
・参加者 小川、川本、山本、森川(久)、濱田、西川、東田、安藤、豊買、岡澤、岡崎、三科、西村(昭)、若生、赤松、日後、青野、森田、湯浅、小宮、
福井先生
一般参加者 4組9人
阪神北県民局里山博物館 大嶋さん (取材の為)
宝塚市役所 社会教育課 佐久間係長
(全30名)
(参)一般参加者として宝塚市自然保護協会事務局の松田さんが来られています。
梅雨の晴れ間の蒸し暑い街中とはうって変わって、緑に囲まれた自然の家には今日も清々しい風が吹いていた。休所後初めての一般参加のハッチョウトンボ観察会が幕を開けた。市報には掲載されたものの、今回は現地集合ということもあって参加者は4組9人と少なかったが、お目当てのハッチョウトンボは161匹と去年を大幅に上回る元気な姿を見せてくれた。
周りの木や草を切り、落葉を取り除いてようやく蘇った湿原に多様な生き物が帰ってきたという福井先生の話に皆熱心に耳を傾けた。そして4年前に36年ぶりに初めて確認してから毎年増え続けているハッチョウトンボにとって、この場所が居心地のいい場所になっていることを改めて実感した。
常に水が溜まっていて草丈の低い植物が多い観察広場の前では、赤いハッチョウトンボが多く飛び交い、ときどき産卵する姿やヤゴに出会うこともある。参加者の一人が足元でヤゴを見つける一コマもあり、大いに盛り上がった。
羽の長さ15mm、体長20mmの世界一小さいトンボを目の前で見ていると、飽きることがない。とまっている姿がみな同じ方向(太陽に向かっている)に向いていたり、暑いせいか尻を挙げて羽を閉じている姿も微笑ましい。
雄の赤いトンボはその目も真っ赤だし、雌は地味な麦わら色だが、同じく薄茶色の幼体とは違う色であることも確認できた。湿原の上方で草地が多く水が少ない場所では、地味な麦わら色の雌が多く飛び交っていた。
ハッチョウトンボの数を数えるために、会員が湿原内を8区画にロープで仕切りをする準備をしている間に、参加者は福井先生の案内で付近の植物の観察をした。
午前中しか開かないモーセンゴケの白い可憐な花が食虫植物であるとの説明に信じられない顔の参加者たちも、地際の葉の形を見て納得した。「学校の絵本で見たのと同じだ!」と叫んだ女の子の感動が伝わった。
いよいよハッチョウトンボの一斉調査開始。予め用意した8区画の仕切りが入った湿原の地図を手にして、それぞれの区画の位置に着いてスタートの合図で、参加者と一緒になって体長20mmのトンボの数を数えた。
午後の休憩を終えて再び湿原に戻る途中の広場で、参加者の親子連れがのびのびとボール遊びをしている光景を目にして、開所していた当時の賑わいを思い出した。
参加者からも湿原や周辺の景色に触れる機会をもっと作ってほしいとの要望が寄せられた。
そんな中、月に一度の活動日に湿原に行けるのはありがたいことだが、人が入らなくなった広場に残されたシカの足跡や野兎の糞、蜂の巣・・・等、閉所中の自然の家の環境の変化に胸を痛めた。今後は湿原だけでなくその周りの環境にも気を配りながら、安全な保全活動を心掛けたい。
午後からは、植生調査班と草刈り班に分かれて作業を開始した。
今日の植生調査は、ムラサキミミカキグサ、ノギラン、コケオトギリ、オオバノトンボソウ等であった。
草刈りは、予め草刈り機で刈ってもらった湿原周辺の草を片づける作業と湿原内の長く伸びすぎたスゲやササを手作業で刈る作業を実施した。
1つだけ残念だったのは、今日の植生調査の対象になっていたオオバノトンボソウとノギランの多くが周辺に生息していたため草刈り機で一斉に刈られてしまった後で、調査不能になってしまった。
植生調査と草刈り作業を同時進行する際の連絡調整等、今後の課題として反省した。
作業が終わって片づけをしているときにふと湿原に目をやると、午前中に比べてトンボの数が減っていることに気づいた。あんなにいたトンボたちはどこに行ってしまったのだろうか?暑さを避けて涼しいところに移動?それともお昼寝?5月から9月中頃まで何度でも羽化するという体長20mmのトンボたちへの興味は尽きない。
毎年増え続けているハッチョウトンボだが、湿原にはそれを食しているシオカラトンボやカエルもいて、それを食している蛇もいる・・・。
今日も無事に終わったことに感謝しつつ、今後も周りの生き物たちにも気を配りながら湿原の保全活動を続けて行きたいし、又大勢の人たちが見に来てくれる自然の家の湿原を想像しながら家路についた。
参加した皆さま、お疲れ様でした。(記;小宮)(%ニコ女%)(%晴れ%)