松尾湿原 花の観察と調査を楽しむ会

松尾湿原 花の観察と調査を楽しむ会に参加しました

・期 日 7月12日
・参加者 福井先生、一般参加者8人
 小川、山崎、福本、川本、西川、森川、公文、山本(智)、豊買、安藤、西 村、大下、小宮

 快晴の中、午前9時10分、阪急宝塚駅前に集結して(写真)、一般参加者とともに「自然の家」のミニバスに乗りこんでいざ出発。4月から運行したミニバスに乗るのは初めての人が多く、まだ新車のにおいがするシートに座って、おしゃべりや車窓の風景を楽しみました。
 自然の家に到着すると、自家用車で参加した人たちと合流して、小川代表の挨拶の後、みんなで歩いて松尾湿原へと向かいました。

果たしてどんな花が私たちを迎えてくれるのでしょうか。期待と不安でどきどきしながら、湿原にたどり着きましたが、あれ、花はどこ?「花」に引かれて参加した一般参加者は、ちょっとびっくりしたかも知れません。
 湿原の側の小高い木陰に集まって、川本さんからの松尾湿原とTENの関わりや今日のスケジュールについての説明の後、福井先生に湿原の特徴や植生についての解説をしていただきました(写真)。その後、みんなで湿原内をゆっくり観察して回りました。

近づいて見ると湿原内にはさまざまな植物が咲いていました。特に、モウセンゴケの白い小さな花(写真)に出会えたのは幸運でした。 こんなに可憐な花を咲かせるモウセンゴケの赤みを帯びた葉には、べたべたした繊毛がついていて小さなプランクトンを捕まえる食虫植物だなんて信じられません。みんなこの小さな花に夢中で見入っていました。
 湿原の中央の特に水がたくさん溜まっているところには、ミミカキグサの芽がたくさん確認されました。先生が小さな芽をそっと抜き出して見せてくれた地下茎には、小さな瘤のようなものがあって、ルーペで覗くと小型の動物プランクトンが見えます。これも湿原を代表する食虫植物だそうです。
 よく見ると湿原に咲いている植物の植生は、場所によって違いがあることが分かります。湿原斜面の上の方には、オタルスゲが繁茂して風にゆれています。湿地を好むオタルスゲがあったところは、もともとハンノキが群生していました。ハンノキのような常緑樹はたくさんの水を吸うので、湿原を保全するために間伐したのです。見事に蘇った湿原に私たちの保全活動の成果を見た思いがしました。

さて、いよいよ植生調査です。予め用意した湿原の地図に咲いている植物の場所や株数を記録していきます。今回は特に目に付いた3種類の植物(モウセンゴケ、カキラン、オニスゲ)を、3グループに分かれて調査しました。
 第1グループは、みごとな花を見せてくれたモウセンゴケの花の分布図と株数を地図上に記録していきました(写真)。
 第2グループは、先月21日に見事な花を見せてくれたカキランの調査です。残念ながら花が終わった後の姿でしたが、葉だけのものも含めて前回よりもたくさんの株を確認することができました。
 第3グループのオニスゲの分布は、去年と比べてどうでしょう。

それぞれのグループごとに、会員と一般の方々との共同作業で行った調査の結果は、今年度の植生調査に反映されます。
 この調査結果は、湿原の保全状況を反映しているので、今後の湿原保全活動に活かされることでしょう。

昼食の後は、「自然の家」の敷地内を散策しました。これまで湿原の保全活動に訪れても、甲子園球場の4倍もある広い敷地内を散策する機会はめったになかったので、とても新鮮でした。昔のわらぶき屋根の民家や、自然がいっぱいの林の中ではイヌブナやナツツバキなど氷河期の名残を思わせる植物にも出会えて感動しました。
木漏れ日がさす林の中は、心地いい風が吹きぬけて、みんなで気持ちのいい森林浴を楽しみました。
 写真は、調査が終わった湿原の前で記念撮影

 予定通り、ミニバスに揺られて、午後2時30分に無事宝塚の駅前に到着。今回初めて参加された皆さんと笑顔でお別れしました。又お会いできることを心から願っています。 
 皆さまどうもお疲れ様でした。(%ニコ男%)(%ニコ女%)