職業紹介の仕事をしていると、面白い出会いや思いがけない展開があったりします。
今回のFくん(21)のケースは、久々大笑いしました。(あまりに面白くて)
大学を続ける意味が見えないからやめましたと言って夏に就労相談に来た彼は、「今飲食店でバイトしているが、やんちゃしてる子や障害を持つ子にかかわる仕事をあきらめきれない」「とっかかりが分からない」と気持ちを話してくれました
資格も経験もない彼に、いきなり教育関係の固い仕事のチャンスはなかなかないだろうし、学校の枠組みで彼の個性が活かせるか・・・まぁ、NPOでボランティアして支援の仕事の現場を見てから考えようと、NOLAさんに夏休みに行ってもらいました
NOLAでは体力仕事も多く大変なこともあったようですが、10代前半の子どもとのかかわりが思ったよりできたこと、スタッフと夜通し話せたことなどがいい経験になったとか
そして宝塚市教育委員会から求人が!市内中学校の生活指導員というもので、業務内容を問い合わせたら「先生や相談員というより、いい兄貴的な存在になってほしい」という話だったので、それなら彼にぴったり!と勧めて見事就職。今彼の仕事はパトロールと教室外で学ぶ子の学習指導。やんちゃしている子どもたちと追いかけっこの毎日だそう。写真のジャージは実際学校での彼の制服(笑)。「いっぱつかましとかんと」は彼の弁。休みの日も彼の携帯には子どものSOSが入ったり、他の先生からも頼りにされてる様子。「学科もってはる先生にこの仕事は無理やと思う。たいへんやけどおもしろい」と充実感を漂わせ貫禄すらありました。
そしてもう一人は、宝塚市大型児童センターの新規事業・思春期ひろばの担当として活躍中のHさん。彼女も7月から緊急雇用での採用。海外青年協力隊でのニカラグア生活、国際協力の支援活動をしていた社団法人での勤務など、やりがいはあっても体力的にハードな生活に少し疲れ気味だった彼女は、ライフ&ワークバランスのとれた社会貢献活動をしたい、とのこと。これも難しいニーズだなぁと思い、スペイン語を活かしてボランティアからはじめますか、と言ってるうちに求人が来て、見事合格。今、写真の様子からも見て取れるように、一生懸命不登校・ひきこもりの子たちのサポート事業に取り組まれています。
緊急雇用を乱発するのもなぁと思っていましたが、FくんもHさんも緊急雇用だから未経験でも入職できたのかもなぁと、少し考えを改めました
この写真は、今年宮本先生たちと行った海外調査先ニュージーランドの高校でのワンショット。右はFくんのようなユースワーカー。校内・校外のパトロールがメインの仕事で、教室で学習しずらい子たちの兄貴的な相談役。生活や学習など幅広く相談に乗り、学校からのドロップアウトを予防する役割があります。左は主に女生徒を対象にした心理カウンセラー。そのほか進路支援のキャリアサポーターもいるそうです。
学校や地域に、先生だけでない多様な大人が関われるユースワーカーがどれだけいるか・・・これは豊かな社会かどうかのひとつの指標になるような気がします。
日本の草分け的ユースワーカーFくん・Hさん、期間雇用ではあるけれど、がんばれ!子どもや若者に必要となれば必ず仕事として広がるはずです。そして、もっと予算がつきますように・・・