5〜10年前のニュースを覚えているでしょうか。
IS(所謂イスラム国)が生まれる前、東北の震災が起こる前、尖閣問題が表面化する前、民主政権より前。

この頃のニュースと言えば、国内の政治的不祥事や煽情的な事件ばかり取り上げていたように思います。
外国の報道は本当に大きなニュースに限られ、長く報じられる事も少なかったのではないでしょうか。

それと比べるとここ数年で、ニュースの話題は大きく変わりました。
ただ単に取り扱う範囲が変わってきたというだけでなく、かつて大同小異だった発信源(番組等)毎の見解の違いも大きくなり、それに合わせて受け取る側も緩やかな派閥化が進むなど、質的な変化も伴いつつあります。

この変化が起こる前、5〜10年ほど前の時期に、メディアリテラシーという言葉が出てきました。
メディアとは情報媒体、リテラシーとは読み解く、つまり情報を読み解く力という事になりますが、ここ最近は聞く事が少なくなっている言葉です。
しかし混沌さを増した今の世況にこそ、問われる能力のように思えます。

混沌とした情報の海、といえばインターネットは黎明期よりそのような存在でしたが、そこでも情報の確度を求めるため、一つの基準が生まれました。
ソース至上主義というものです。
情報には必ずソース元を必要とし、そのソース元の信頼度を以て情報の確度とする考え方です。
これは今でも通用する考え方で、Wikipediaをはじめとしてこれを念頭に置いたサイトも数多くあります。

ネットは黎明期より、その範囲を大きく広げました。
探せば一次ソースに近い情報も数多く落ちています。
世論を騒がせた動画や、国会審議中の法案などは、ネットに一次ソースそのものがあります。
英語も使えると、紛争地域のライブカメラ映像や論文など、その範囲は更に広くなります。

誰でも簡単に確認できるこれらの情報を見る事で、ニュースの見方は大きく変わる事があります。
新聞やテレビ、本等の言う事が全て「二次ソースの見解」になり、情報源ではなくなるからです。
しかし一次ソースの確認というのは地味で退屈さが伴うもので、面白い解説や脚色に流されがちです。
二次ソースが一次ソースに忠実であってくれればいいのですが、中々そうあってもくれません。

情報の海が荒れがちで、横波も増えている昨今、一度は一次ソースという錨を下ろしてみてはいかがでしょうか。
全部というのは難しいですが、気になるニュースだけでも確かめてみると予想以上に心強いものです。

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