前回のつづきです。
学生時代、雑談しようと質問しまくったけど、うまくいかなかったという話。

当時の質問で一つだけ覚えているのは、クラブの部室でのことです。
先輩のMさんと二人で、何か一緒に片付けでもしていたと思います。
私は「何か質問しなきゃ!」と焦って、確かMさんがピアノを習っていたというのを思い出し、こう聞きました。
「Mさん、ピアノってどこで習ってるんですか?」
返事はこうです。
「家の近くだけど……なんで?」

私がその「なんで」にどう答えたか、覚えていません。ヒドイ話ですが。
具体的に覚えてるのはこの会話だけですが、だいたいいつもこんな感じ。
相手にすれば唐突すぎ、意図の分からない質問ばかりしていました。

当時の「なんで」に、いま答えようと考えてみると、こうなります。
「とりあえず質問すれば、答えてくれると思ったから」
しかし、いくら彼女がピアノを習っているといっても、話の流れがピアノであったわけでもなく(それまでは無言だったはず)、そのときやっていた片づけか何かの作業とも関係なく、さらにそもそも私自身が、彼女の「ピアノのレッスン」には興味を持っていなかったのです。
とにかくなんか相手に関連してればいいだろうと当時は思ったのですが、雑談として持ち出すには、脈絡がなさすぎます。とほほ。
でも、当時はこんな風に、<場の流れ>や<相手との関係>と、自分が持っている<話題のネタ>や<興味>をスムーズにつなげる方法が、まったく分からなかったのです。

実は私自身も高校までピアノを習っていましたので、せめてピアノ関連なら「いま、どんな曲を弾いているんですか」くらいにすればよかったんだろうなあと、今になれば思いますが。
それなら「そうなんですか〜。私なんて、10年習ってもソナチネ終わらなかったんですよ〜」(本当)とかなんとか、つなげたかもしれないのに。場所を聞くというのが我ながら意味不明です。

なので、前回の「格闘技」の話は、比較的<場の流れ>や<相手との関係>と<自分の興味>との関連がスムーズな問いかけ(たぶん)だったようなので、嬉しかったわけです。

bako