コミュニケーションにおいて、言葉そのものの意味よりも、表情や声のトーンで人の印象は変わります。
明るい表情、明るい声のトーンのほうが、好印象を持たれます。
それは、よーく分かっているのですが。

ふと、20年くらい前のことを思い出したので、書いておきます。
当時は対人恐怖が激しく、人と会うのはすごく苦痛でした。

そんなある日、アトピー性皮膚炎の治療のために、新しい皮膚科へ行きました。
そしたらそこのお医者さんは、私が診察室に入り椅子に座るとまずこうおっしゃいました。
「あんた、人の好き嫌い激しいんか?」
私は質問の意図が分からず、皮膚と人の好き嫌いがどう関係あるのかと思いつつ、
「えー…、あ、いいえ…」とか、言葉にならない返事をしました。
するとその先生は、こうおっしゃったのです。
「そうか?なんや、えらい怖い顔してるで」

当時は対人恐怖がMAXくらいだったので、さぞや緊張してこわばった顔(相手からは「怖い顔」)になっていたのでしょう。
けっきょく私はこの言葉ですっかりその先生が嫌になってしまい、二度と行かなかったのでした。
そして、ますます他人様に対して心を閉ざすことになったのでした。とほほ。

今になれば、まあお医者さんも人間ですから、患者に「怖い顔」されるとやりにくいだろうな、というのは分かります。
この「怖い顔」、極度の緊張から来ているのであって、相手に悪意を持っているわけではないのですが、そう見られてしまうのですね。
自力でこの表情をどうにかできればよかったのですが、当時はたぶん、どこへ行ってもこの「怖い顔」になっていたと思います。

なんとか人前で「にこやか」?な表情を保つことができるようになるには、そこからまた10年ほどの時間を必要としたのでした。とほほ。

bako