職場においてある、配達弁当の月間表。
ほら、毎日中身が変わるから、各日のオカズを手書きでラフに書いてあるんです。
休憩室の机に置いてあり、休憩しながら眺めるともなく眺めていました。

すると、ある日の弁当にこんな言葉が。
「にぬき玉子」
ん?にぬき玉子??
にぬき=ゆで卵じゃないのか?これでは「ゆで玉子玉子」になってしまうのでは?
ああ、誰かに話したい。「にぬき玉子って書いてる」って。

しかし近くには、あまり話したことのないHさん(男性・年上)しかいない。しかもスマホいじってるし…
こういうのがツボにはまる人は少数派ではないか。Hさんに話しかけても「はぁ?」で終わるのではないかしら。

彼がスマホから目を離したときに、思い切って話してみました。

「めっちゃどうでもいい話なんですけど、この『にぬき玉子』って何でしょうね?」
「は?にぬき?」
「にぬき自体がゆで卵って意味ですよね?ほら、これ(弁当表)毎日ここにおいてあるから、なんとなくいつも見てて」
「…あ、ああ。にぬき、っておばあちゃんが言ってましたね」
「そうそう年配の人が使いますよね。うちも父がにぬきと言ってました」
「ギョーカイ用語なんですかね?」
「なるほど〜」
「そもそもなんで、ゆで卵をにぬきって言うんでしょうね」
「ねえ。煮てるから?」
「じゃあ、『ぬき』は?」
「う〜ん(笑)」
「こうやって見ると、毎日なんか玉子のおかず入ってますね」
などと、案外長く話が続いたのでした。