「会話のきっかけレシピ」を集める中で、雑談はいろんなものにたとえられるのを聞きました。
キャッチボール、助走、サルのノミとりなど…

どれも言い得て妙なのですが、私は、いちばん他愛ない「今日は寒いですね〜」「寒いですよね〜」とかの会話は、テスト通信がいちばん近いかな、と思うに至りました。

子どものときの糸でんわに始まり、固定電話、携帯電話、メール、ライン、たいてい初めてのときはテスト通信をするのではないでしょうか。
「もしもーし、聞こえてる?」「おー、聞こえてる聞こえてる」とか。
あんなふうに、本題に入る準備をしておくようなものではないかとおもいます。

雑談も、「ほうれんそう」や、必要な話をする前に、相手と「ちゃんと通じてる?」とテスト通信をしておくのです。
また、テスト通信することで、「あなたと通信する意志がありますよ」というのを確認しあうのです。

テスト通信しなくても、たぶんいきなりでも通信はできるでしょう。
でも、いざやってみたら調子が悪かったとか、うまく通信できないとか有り得ますよね。
だから、やっておいたほうが安心。

単にマイクのテストなら、「あーあー、本日は晴天なり」とか、言うことはホントになんでもいいのですが、
雑談はテスト通信として、単に通じるかどうかだけでなく、いろんなことをテストしています。
相手の様子(いまのコンディション、いま関心が向いてることなど)とか。
だから、なんでもいいといいつつ、場面や関係によって放たれる言葉は実にさまざまです。
テスト通信して、お互いに微調整しあって、本番にそなえるみたいな感じです。

bako