前回、こう書きました。
<他の人と、「0か100か」、つまり「無言かストーカーまがいか」という恐ろしく極端な距離感しか築けないという困った人間なのです。>
この書き方だと、いかにも不審なヒトなので、弁解というか補足させてください。
どちらかというと、「雑談を始めたとき、相手との距離感に応じた『いいあんばい』で話を終わらせることができなくて、ついしゃべりすぎてしまう」という方が正しいです。
いいあんばい、というのは、時間もそうですし、内容の濃さもそうです。
とくに相手と話が合うと、どんどんいくらでもしゃべってしまうし聞いてしまう。
その結果、不必要に距離を縮めてしまう、という感じです。
これが、仕事上の会話であれば、用事が終わったら会話も終わるからいいんです。
でも、雑談って、ここで会話が終わる!と明確なラインがないですね。
ですので、誰でも雑談するときはTPOに応じて「会話はこのへんまでにしとかなきゃ」と頭でストップするラインを考えながら話していると思います。
たとえば「もうじき休憩時間が終わるから話をやめよう」とかもそうですし、個人的なことを聞かれて「この人とはそんなに親しくないから、詳しく話さないでサラっと流そう」とか。
このTPOのうち、時間はハッキリ測れるものなのでいいのですが、「相手との距離感」みたいな、「明確なものさし」が存在しないことは、正解がない。
ですので「このへんでやめたほうがいいな」などと脳内で線引きを微調整しながら話すのが、私にはけっこうエネルギーのいることなんです。
それが「面倒くさい」から、親しくなる必要がなければ「最初から話さない」ほうが楽でいい。
それで、美容院では無口になりがちなのです。
そういえば、この「会話のきっかけレシピ」を作っていて、
「相手が話を切り上げてくれない場合、切り上げるレシピを集めてほしい」
というリクエストを、以前から多数いただいています。
「なかなか話せない自分には必要ない」と思っていましたが、思えば自分はこうやって「雑談がはずむと無駄にしゃべりすぎてしまう」タイプなので、むしろ積極的に集めた方がいい気がしてきました。
bako