去年から,大学・高専教授の先生方や国土交通省の方々にご一緒して,加古川の河川植生の管理・保全についての研究会に参加させてもらっています.ふだんの川において,生きものを育む場としての河道樹林や草々と,大雨で増水したときの洪水流抵抗としての河道樹木との間の,適切なバランスを考える会です.

写真は研究会がはじまる前年のちょうど今ごろの時期に,家族と加古川に出かけたときのスナップショットです.青々とした葦はらが生い茂りっていて,風が爽やかでとても気持ちがよかったことを覚えています.ちょうどここら辺りは捨石の水制が何基か整備され,その間がワンド(水のたまり場)となっていて葦が特によく茂っていました.水制(すいせい)は,河川の堤防などを洪水の流れからまもるための構造物で,流れをゆっくりとさせる機能をもっています.

子供らは写真にあるような蟹さんを見つけてはしゃいだり,蛇に出くわして飛び上がって驚いたり,何かの卵を見つけて不思議がったりで,それぞれ楽しんでいたようです.河川のもつ自然は,そこに住む動植物にとってかけがえのない場ですが,こどもをはじめとする人間にとっても,自然で出くわす意外性ある驚きやとんでもない危険を,遊びの中で教えてくれる素敵な場所でもあると思います.

地球温暖化に関するIPCCの第4次報告では,今後世界中で豪雨や干ばつの頻度が増す可能性が高いといわれています.大雨のときの河川植生の洪水抵抗をしっかりと把握し,河川周囲の安全を的確にわかりやすく市民のみなさんに提示できるよう,また河川植生をよく保全していけるように,専門的な立場から支援を行っていければよいなと思います.

(%ニコ男%)