雨予報も覆り、見事な秋晴れとなった9月21日の日曜日に、
明石の中崎公会堂にて「源氏物語の朗読 賢木の巻」を開催いたしました。
中崎公会堂は国の有形文化財にも指定されており、明治44年のこけら落とし公演には夏目漱石も演台に立たれたという由緒ある建物です。
朗読会では朗読のみならず、各回源氏物語のテーマに添った漢詩や詩吟、書画、創作展示を楽しんで頂いております。
今回は賢木の巻。
当会理事・出田の作詩による賢木の漢詩を、当会理事長・林の手により掛軸に仕立てました。掛軸は舞台の真ん中で朗読会の雰囲気をぐっともり立ててくれます。
そして創花人・佐藤悦枝さんによる源氏物語がテーマの創花も展示され、観客の目を楽しませてくださいました。
【読源氏物語賢木 出田白穂】
蟲韻松風月一痕
嵯峨浄地浅茅原
野宮華表清幽極
秋盡何之空断腸
虫韻 松風 月一痕
嵯峨の浄地 浅茅が原
野々宮の華表 清幽の極み
秋尽き 何に之く 空しく断腸
今回のテーマ、賢木の巻の漢詩を詩吟、中国語での朗誦にて楽しみました。
朗読に入る前に、小池照男さんによる珍しい笛のミニ講座があり、
吹けば天から霊魂が降りてくるという岩笛などを吹いてくださいました。
メインは朗読劇。読み手に劇団神戸所属の女優・小倉啓子さんをお迎えしました。
はじめは明るくフレンドリーに語り始めた小倉さん。
本題に入っていくとしっとりと味のある声にかわり、観客を賢木の巻の世界へ引き込んでいきます。
源氏と女たちとの関係を一場面一場面丁寧な表現で楽しませてくださいました。
次回、当会の源氏物語の朗読会は4月12日(日)に須磨で「絵合」を予定しております。またのお越しをお待ちしております。