古墳の出現と社会の変化

去る平成21年4月18日(土)に行われた大手前大学の公開講座に出席してきました。
 テーマは標記のとおりで、講師は同大学の准教授の森下章司氏でした。
 同氏は考古学の専門家で、墳墓の変遷をメインに縄文時代〜弥生時代〜古墳時代を語られた。
 人々は縄文時代から定住思考が高まり、弥生時代になると農耕社会が成立するに至ったが、加えて身分の確立も進み、ランク付けも自然に形成されてきたようである。
 そのため、お墓についても身分によって、かなり大きなものも作られるようになったのこと。
 ただ、この頃はまだ形は「円形」「四角」等、地域によってバラバラであったが、古墳時代に入ると「前方後円墳」が主流となり、徐々に形の統一と巨大化が行われた由。
 これは社会が「ヤマト」中心に移行したこととも少なからず関連しているようであった。
墓丘については、まだまだ未知なことが多いようだが、その背景には、「政治的なシンボル」「身分の誇張」「支配の象徴」等々に加え、中国からの思想(北枕、三段築成、朱の愛好、密封思想等々)の影響もあったように感じたしだいである。