平成21年5月11日に行われた「ふるさとの歴史講座」は、武将や
合戦の話しではなく、その裏方にメスを入れるものであった。
講師は、日本歴史学会の茨木一成氏で、氏のお話しでは戦国時代
の戦さは、そんなに華々しいものではなく、殺戮や略奪等が行われる
悲惨なものであった。
何よりも出陣にあたっては武器も食糧も自弁であり、準備するものは
炊事用具からノコギリやナタ、クワさらに縄等、陣中用具に至るまで
多種多様で、裏方はたいへんだった由。
また正規軍は、全体の10分の1程度で、足軽他はそのほとんどが傭兵であったため、大将ともなればかなりの経済力が必要であったとのこと。
特に鉄砲はかなり高額で、現在の価格換算では一挺150万円〜50万円はしたのではないかとのことで、よほど豊かな大名でもないかぎり、槍中心の軍団編成をせざるを得ない状況のようであった。
因みに、北条氏の軍団編成を見ると、ある上級武士のチームは、36人中17人が槍持ちで、鉄砲はわずかに2挺となっていた。
兵農分離が進むのは、「信長」以降で、やはり今も昔も経済力がものを言うということのようである。