新型インフルエンザの流行に、19世紀(明治時代)のコレラ
問題を重ねたセミナーが、平成21年6月20日(土)に大手前
大学の夙川キャンパスにおいて開催されました。
講師は、同大学の尾崎耕司准教授でした。
コレラは、元々インドのベンガル地方の風土病であったらしい
のですが、スエズ運河の開通やイスラムの巡礼等により、また
たく間に各国に広がり世界が協調してこれの対応にせまられた由。
何しろ100年以上前のことですから医療が発達しておらず、
パニック状態となり、国際社会では「検疫問題」と「国際公衆衛生」について、ヨーロッパを中心に各国が参加して対応策が協議された歴史があったようです。
ただ、各々国内の事情や地域の事情があって、必ずしも足並みが揃ったわけではなく「検疫問題」にしてもわずかにスエズ運河とドナウ川流域に限定された結果、アジアは蚊帳の外であったとのことで、当時日本ではかなりの死者を出したとか。
今回の新型インフルエンザでは、WHOを中心に情報の共有化が行われ、当時に比べるとかなり進歩したように見えますが、ますますグローバル化する社会においてはさらなる国際協調が望まれるところです。
<写真は電子顕微鏡によるコレラ菌・・・ネットから借用>