浄瑠璃史のひとこま

平成21年8月26日(水)に、秋本鈴史氏(神戸松蔭女子学院大学
国文学科教授)による”浄瑠璃史”の講座があり出席してきました。
 「浄瑠璃」と聞いただけで、何となくとっきにくかったのですが、内容
的には、その確固たる基礎を築いた『竹本義太夫』のデビュー前後の時代背景のお話しで元禄文化の幕開けを感じるようなものでした
 浄瑠璃自体は、室町の昔から存在していたものですが、竹本義太夫の時代になって花開いたようです。
 竹本義太夫は、延宝5年(1667年)頃に頭角を現したとか。
 因みにこの時代は、徳川四代将軍・家綱の時世で、ようやく江戸幕府も安定期に入ってきたところでした。
 この頃に出てきた歴史上の人物といえば、松尾芭蕉・井原西鶴・近松門左衛門や歌舞伎の坂田藤十郎等で、いづれも後に名を成しております。
 竹本義太夫は、当初「井上播磨」に師事したかったようですが、結局その弟子の「清水理兵門」に弟子入りし、ほどなく評判となりプロとして独立した由。
 興行の料金が現代の価値で千円程度(一般席)とリーズナブルであったことも幸いしたようです。(ただし、桟敷席はかなり高額だった。)
 大阪の文楽座も昨今は、分かりづらい義太夫等を、オペラ同様字幕を採用するなどして裾野を広げる努力をされており、喜ばしい限りです。