見つめなおそう食文化

「栄養・もてなし・四季の移ろい」をテーマに、食文化につい
てのシンポジウム(パネルディスカッション)が平成21年9月
12日(金)に、関西学院大学において開催されました。
 パネラーは、いづれも同大学のOBで、谷本陽蔵氏(つぼ市
製茶)、程 一彦氏(料理研究家)、松本 孝氏(英国屋)、山
口冨蔵氏(京菓子)、冷泉為人氏(時雨亭)で、コーディネータ
は同大学経済学部教授の寺元益英氏でした。
 現在の日本の『食』は崩壊状態にあるとの認識から、これを
3つの「コショク」で表現されました。
 すなわち、「孤食(都合の良い時間に1人で食事をする)」、「子食(子供だけで食事をする)」、「個食(各々が別メニューを食べる)」・・・が家庭に浸透してきており、一家団欒の食卓が少なくなってきているため家族のコミュニケーションが無くなり、親から子へ、子から孫への伝承が途絶えて、日本の良き伝統が子孫に引き継がれて行かない由。
 また、外食産業においては健康よりも「売れる食」を提供しているため、結局、家庭料理こそが身体のことを考えるものであるとか。
 他方 古来の日本人が持っていた自然観や美意識も食卓から遠くなってきているとかで、四季折々の絵画や音楽等の芸術に日頃からふれ、資質やこころを養うことにより、豊かな食生活が送れるのではと思われたしだいです。