インド社会の変貌と世捨て人

カースト制度に起因するインドのライフスタイルに焦点を
当てた講座が、平成21年9月19日(土)に大手前大学で
行われました。
 講師は、同大学の村瀬 智教授でした。
 カーストとは、閉鎖的な身分階層制度のことで、基本的に
は、①バラモン(僧)、②クシャトリヤ(王族)、③バイシャ(庶
民)、④シュードラ(隷民)の4階級に分かれ、職業は世襲制
で、異なったカースト間では結婚はもちろんのこと、食事の交
流も禁じられている由。
 その結果、身分による抑圧、慢性的な貧困、世代間の反目等々があり、「苛酷な現実に耐える」か「苛酷な現実から自由になる」かの選択で、後者を選んだ者が世捨て人となって宗教的芸能集団を組織したのが『バウル』と呼ばれる人達であるとのこと。
 本来この人達は、人家の門口で歌をうたったりしてお米やお金をもらい歩く、いわゆる物乞い生活をしていたが、インドの社会的・経済的発展もあって、やがて音楽会を開催したりテレビ出演したりして、一部の卓越した人はスターへ登りつめた例もあるとか。
(もっとも、大半はやはり物乞い生活をしているが・・・。)
 発展が目覚しいB・R・I・C(ブラジル・ロシア・インド・中国)の一員として、今後ますます向上していくためには、旧来のカースト制度がネックになるのではと思われたしだいです。