選挙制度について

日時:平成21年11月19日(木)
場所:宝塚市西公民館
講師:上脇博之氏(神戸学院大学 憲法学教授)
 さて、1994年政治改革によって衆議院選挙は中選挙区から小選挙区比例代表制へとなった。①中選挙区制は(一つの選挙区から3〜5人を選出)小さな政党も議席を得られ結果比例代表の機能もあった。②小選挙区比例代表並列制は小選挙区制が中心で+比例代表制と云う2つの選挙制度を持つ世界でも珍しい制度です。それでは、投票率はどうなったかと云うと①は第36回から第40回までの5回平均投票率は70.9%に対して②の第41回から第45回(今年の夏)の5回平均投票は63.76%と下がっている。これは多くの原因はあると思うが一人しか当選しないことに起因しているのではないかと講師の見解でした。
 <結論>小選挙区制の問題点
1.投票が活かされない(これを専門的に死票と云う)すなわち当選者以外の票。
①最後の中選挙区制(1993年)の死票は24.7%②小選挙区制の最初(1996年)は55%(比例代表は除く)③今年は46,3%と従来制度に比べて国民の意思が大きく切り捨てられている。
2.得票率と議席が乖離している
今年の民主党得票率47.4%(議席率は73.7%)対し自民党は38.6%(21.3%)で民意を歪曲化しており比例代表も概ね同じ現象が起きている。その他矛盾点を指摘。
結論的には民意が正確に反映できる比例代表がいいのではないかとのことでした。
これまで小選挙区制度は政権交代が容易で常に民意が反映すると云われてきたが、必ずしもそうでないのでは・・・