広域災害からの住まいの復興

日 時:平成21年11月25日(水)
場 所:人と防災未来センターひと未来館6F
講 師:人と防災未来センター研究部研究主幹 越山健治氏
東南海・南海地震における住まいの被害は沿岸部の小集落及び中都市が強いゆれと津波による壊滅的被害,中山間地の小集落の壊滅的被害,大阪・濃尾平野の都市部がゆっくりしたゆれと液状化よる被害、火災や崖崩れによる被害が同時多発に起きて広域災害になり、その被害は約30〜40万棟の全壊建物が発生すると想定される。
広域災害からの住まいの復興をどのようにしたらよいか阪神・淡路大震災時の応急仮設住宅,公的住宅等及びその後の住宅復興,都市の変化等の過程を学び、広域災害がもたらす大きな課題は①被害形態・再建選択の多様性②中山間地の個々人の再建体力の低下③公的住宅供給の限界④広域的な行政手続きが出来ない⑤期間ごと(避難期・仮住まい期・再建期)の人々の移動領域が大きくなる。⑤地域の住宅デザインとスタイルの激変による環境不適者の増加である。
広域災害に向けた策は①多様な選択肢とその支援方策の準備—一元的に個々人の再建支援を考えることの限界(政策誘導があるなら別)②多様な建設形態・仮住まい形態の準備—能力限界はすぐにそこにきている。③広域的避難・仮住まいの具体的検討—自治体圏域を超えたマネジメント。④災害後の地域像づくり—新たなまちへのビジョン(基本構想)に向けた災害時支援策のデザイン。以上を今から初めて、30年かけて醸成して、備えることが重要とのことであった。