京ことばの世界

日 時:平成21年11月26日(木)
場 所:西宮中央公民館
講 師:中島さよ子氏(京ことばの会・代表)
 独特なイントネーションのある「京ことば」について、その
ルーツや現状についてご教示いただきました。
 特に近年はテレビ等のメディアの発達により、全国隅々
まで標準語がいきわたり、親しみや温もりのあるお国こと
ばが淘汰されてきたことは、世の趨勢でしかなく、これを
憂いて氏は「京ことば」の保存に力を注いでおられる由。
 「京ことば」には、天皇・公家・女官等が使用してきた『御所ことば』と、室町や西陣の商人等の日常語であった『町方ことば』に分かれるようですが、この両者が交じり合ったのが今日の「京ことば」とのことでした。
 「京ことば」の特徴は、①きれいでやさしいイメージ(「はんなり」上品で明るい)、②遠まわしな言い方(「ブブずけなど、どうだす」は早く帰ってほしいの意)、③強調する時は二度言う(「あつい、あつい」:畳語)、④食べ物等に敬語を使う(「お豆さん」)、⑤最初のいち字+文字で言う文字ことばを使う(杓子→しゃもじ:杓子の”しゃ”と文字の”もじ”)等です。
 ただ全国区になった「京ことば」も多くあり、『おひや・おてもと・おぐし・おふる・・・』等々枚挙にいとまはありませんが、マイノリティである「京ことば」は、あと50年もすれば消えてしまうかもしれないのが残念です。