日 時:平成21年11月28日(土)
場 所:神戸女学院大学
講 師:舩橋 昭氏(神戸女学院中高部長)
人生の帰路とは、第一線を退く定年退職から始まり、最終は
人生そのものを退く”死”であるとのこと。
ただ”死”は誰にでも訪れるが、”老い”は高齢者にしか訪れ
ないものなので、選択された者にしか味わうことが出来ず、高齢
は”恵み”であると説明されました。
人生の帰路をどのように過ごすかは、長寿の今日ではたいへん重要なことで、これの指針を世界の文学や聖書を引用されて、ご教示をいただきました。
ここにひとつの例としまして、アメリカのある病院の患者さんの言葉があります。
「より偉大なことが出来るようにと 健康を求めたのに より良きことが出来るようにと 病弱を与えられた 幸せになろうとして 冨を求めたのに 賢明であるようにと 貧困を授かった 人生を享受しようと あらゆるものを求めたのに あらゆることを喜べるようにと 命を授かった 求めたものは ひとつとして与えられなかったが 願いは全て聞きとどけられた」と。
人生の帰路には「よりどころ」が必要で、それが信仰であれ、趣味であれ、哲学であれ、はたまた家人・友人であるかもしれませんが、いづれにしろ『希望を持つ』ということなのではないでしょうか。