イタリア人の生活と美術・地中海編

日 時:平成22年1月15日(金)
場 所:宝塚西公民館
講 師:辻 弘氏(兵庫教育大学名誉教授)
 地中海に面したシシリアをはじめ、テレニア海側のナポリ、
ポンペイやアドリア海に近いアルベロベッロ等、南イタリアの
各都市のお話しが中心のセミナーでした。
 まずナポリですが、世界三大美港のひとつに数えられており
「ナポリを見ずして、死ぬことなかれ」と言われる風光明媚な所
ですが、人々は明るく下町風で、ヴェスヴォス山を背景としたナポリ湾は必見です。
 そのヴェスヴォス山の噴火で埋もれた街ポンペイは、発掘が進むにしたがってたいへんな文化都市であったことが判明し、特に秘儀荘に代表される「ポンペイの赤」は、ただただすばらしいの一言です。
 また円錐形の屋根をもつトゥルッリ(石版を重ねた屋根)は、農家が納税を免れるために取り壊しが容易なように造った家だとかで、その知恵は尊敬に値します。(アルベロベッロ)
 最後にメッシーナ海峡(ポエニ戦争の舞台)を渡ったシシリアは、地中海の真ん中に位置した貿易上重要な拠点であったことから、古来ゲルマン・スペイン・ギリシャ、ローマ等々が次々に支配した関係で、その遺跡は世界の縮図です。
 たとえば、アグリジェントの神殿はアテネのアクロポリス神殿を彷彿とさせ、カザール荘(ローマ皇帝の別荘)のモザイク画(写真)は当時の生活を色濃く残しています。
 パワーポイントで次々と紹介されると、早く行ってみたくなりました。