栄養と長寿のサイエンス

日 時 平成22年2月6日(土)
場 所 武庫川女子大学
講 師 鞍田三貴氏(武庫川女子大学講師)
 氏は管理栄養士の立場から、NST(栄養サポートチーム)の
必要性についてご講演されました。
 いくら医療や科学が進歩しても、”「食」に勝る治療法はない”
という考えが根底にあり、食事を味わうということは、①疲労を
伴なわない。②時期・年齢・身分等を問わない。③他の快楽に
比べ永続的である。・・・・・等々のメリットがあります。
 病院においては、医師と看護師・薬剤師・栄養士・検査技師等のメンバーが1つになって個々の患者さんに最適な食事を提供する、所謂「チーム医療」のシステムが構築されつつあり、ひと頃のような糖尿病食とか肝臓病食とかいった画一的なものから、各々の状況に合わせたものに変わってきているようです。
 病院にはこのように総合的なサポーターが居ますが地域にはこれがなく、ケアマネージャーもここまで深く関与出来ないのが現状です。
 行政では、介護保険制度の中に栄養士の”居宅療養管理指導”を明解にしていますが、現場ではこれがほとんど利用されておらず、これは地域にNSTが欠如しているからとのことです。
 退院後の高齢者が心身の状態を維持し、向上させるためにも開業医・福祉機関・行政が一体となった「サポートチーム」のシステム化が望まれるところです。