日 時 平成22年4月17日(日)
場 所 芦屋公民館
講 師 芝垣哲夫氏(アメリカン大学教授)
エーゲ海最大の島・クレタ島の迷宮で、いったん入ると再び
出てくることが不可能と言われた「クノッソス宮殿」(写真は部
屋の一部)にまつわる愛と裏切りの物語です。
その昔 クレタ島の迷宮に半牛半人の怪物・ミノタウロスが
住んでおり、毎年これにアテネの少年・少女14人が生け贄
として捧げられておりましたが、これに憂慮したアテネの王子・セテウスが自ら志願してこの一行に加わり、ミノタウロス退治に出かけます。
クレタ島では、この生け贄14人の中にひときわ凛々しい若者・セテウスに島の姫君・アリアドネが一目ぼれし、この若者を助けたいと赤い糸巻きを彼に渡し、他方を入口にもう一方を腰にぶら下げて入宮し、首尾よくミノタウロスを退治したら再びこの糸をたぐって出てくるようアドバイスをします。
セテウスは無事目的を果たし、アリアドネをつれてクレタ島からアテネへ脱出を計りますが、運悪く途中で嵐に遭遇してナクソス島に漂着してしまいます。
ナクソス島は酒の神・バッカスが支配しており、このバッカスがアリアドネを無理やり誘惑し、その見返りにセテウスには水と食糧を与えてアテネへ旅立たせます。(セテウスは命の恩人アリアドネに飽きた?)
残されたアリアドネはその後、バッカスと幸せに暮らしたという説もあれば、悲しみのうちに没したとも言われていますが、セテウスはアテネに帰着して王となり、その地に君臨したそうです。
愛の行方は、まったく一寸先は闇ということですね。