日 時 平成22年5月7日(金)
場 所 神戸文化ホール
講 師 青島広志氏(東京芸術大学講師)
出 演 小野勉氏(テノール)、赤星啓子氏(ソプラノ)
「世界一受けたい授業」や「題名のない音楽界」等でお馴染みの
青島先生がオペラのアリアについて、歌手の歌声を交えながら、
時系列に解説してくださいました。
オペラ発祥の地はイタリアのフィレンツェで、1600年頃(日本
では関が原の戦いの頃)のこと、すなわち今から410年前のことで、最初に聞かせていただいたのが「エウリディーチェ」(ギリシャ神話を題材にしたオペラ)の曲でしたが、同じ歌詞がフォルテやピアノで何度も出てきて、まるで山のこだまを連想させるようなものでした。
これはバロック時代のもので、当時は王様か貴族しか見ることが出来ないものでしたが、やがて古典時代(モーツアルトの「魔笛」やロッシーニの「セビリアの理髪師」等)になると、アリアも華やかになり一般市民にも広がりをみせます。
そしてイタリアオペラの両輪であるヴェルディ(「椿姫」等)やプッチーニ(「蝶々夫人」等)のロマン派時代に入るとオペラも盛期を迎え、日本でもリゴレットの「女心のうた」が単独で歌われるようになりました。
そして他方、セリフが多様化されるオペレッタ(ヨハンシュトラウスⅡ「こうもり」等)も黄金時代となり、出演者は歌声の他に役者としての素質も要求され、すっかり大衆化します。
会場でもレハールのメリーウイドウワルツが流れると、あちこちからハミングが聞こえてきました。
後年は、そのオペレッタにさらにダンスが付加され、ニューヨークのブロードウエイやロンドンのウエストエンドに代表されるミュージカルへと発展していくことになります。