数学の世界と現実の世界

日 時 平成22年5月22日(土)
場 所 関西学院大学 西宮上ヶ原キャンパス
講 師 川中宣明氏(関西学院大学教授)
 ①「数学の世界」と「本の世界」−数学は一つの物の考え方の
パターンで何にでも適用が可能であり、これを本の中の坂本龍馬
を例に、数学の世界も現実の代わりになるとのご説明でした。
 ②現実を映す数学の世界ー3地点(ABC:写真)を結ぶ道を最短
路問題として実験し、現実世界を数学世界に移す証明をされた。
 全ての事を実験で確かめることは不可能であるので基本法則を数学の言葉で書く必要があり、基本法則から数学的に出てくるとき現実に起こることが期待される由。
 ③現実を予言する数学の世界ー現実世界の法則が少ししか分かっていない時でも数学が使える時があり、例としてガリレオ・カリレイの「落体の法則(真空中では重い物体も軽い物体も同じ速度で落ちる)」を確認する実験が行われたことや理論の説明があった。
 数学的推理によって僅かの事実から重要な結論が導かれる事があり、実験に先立って理論的に数学を用いて予言出来る場合がある。
 そして実験による検証が必要になり、何を実験したらよいか分かるようになるとのことでした。
 数学の世界と現実の世界との関係は、①理系的パターン(自然科学で)として「現実の世界」⇒「数学の世界」に移しこみや移植がとりこまれ、「現実の世界」の見直しが働く。 また、②文系的パターン(情報)として「数学の世界」⇒「現実の世界」に取り込まれ、「数学の世界」の見直しが働く。
 現代社会で最も大事なものは情報であり、その保護のために整数論暗号として数学(整数論)の定理がいつの間にか現代社会に溶け込んでいるとのご説明がありました。