仏と日本人 「出土瓦から見た河内の古代寺院」

平成22年5月28日(金) 夕方の部で実施
場所:県民会館
主催:兵庫講座 2021
講師:上田 睦 (藤井寺市教育委員会)
 飛鳥寺は周知のように、曽我氏が百済から招いた技術者の
指導によって建設されました。
 創建堂宇の軒を飾った軒丸瓦は、単弁十弁の蓮華文を
表していますが、この形式の瓦は百済最後の都だった抶余
から出土した物によくにています。
百済の瓦はほとんどが八弁で、飛鳥寺の十弁との違いはありますが、デザインは共通しています。
また飛鳥寺の瓦には十一弁の物もあります。
 河内はその地域性から多くの寺院が建立されています。
 「続日本書記」によると天平勝元年には66ヶ寺存在しました。
 考古学的成果によると飛鳥時代、つまり7世紀において河内において建立された寺院は、80ヶ寺にも上る寺院が建立されています。
 河内の寺院で採用されている軒瓦は、飛鳥寺系(花組)、斑鳩寺系(星組)、豊浦系(雪組)、その他8系統に区分されています。