数学の散歩道・数学で探る自然現象

日 時 平成22年6月5日(土)
場 所 関西学院大学 西宮上ヶ原キャンパス
講 師 増田佳代氏(関西学院大学教授)
Ⅰ.気象、天体現象として①雨、雲の話がありました。落ちて
くる雨粒の下の方は空気抵抗にあって少し平らになっていて
地上に落ちてくる速さは一般にV(速度)=2ρ(水の密度)×
g(重力加速度)×r(雨粒の半径)の2乗を割る9×μ(動的
粘性)で求めることが出来、半径1mmの大粒の雨粒の速度は
6.5m/s、半径2.5mmの非常に大粒の雨粒の速度は9m/sぐらい。また、雲の重さや雲までの距離も数式で示された。
 ②地球の陰、月の陰、木星の陰の長さについて数値の説明があった。
Ⅱ.Phyllotaxy(葉序研究)①植物によって、葉と次の葉の(成長点から見たとき)の回転角は種類によってほぼ決まっているとの説明があった。自然界に(例:360×2/5;ナラ、カシ、サクラ、リンゴ等 360°×3/8;ポプラ、バラ、ヤナギ等 360°×5/13;アーモンド等)2/5,3/8,5/13の比がみられて、Phyllotaxy ratio(葉状比)と呼ばれるとのこと。
 ②フィボナッチ数列{1.1.2.3.5.8.13.21.34.55.89.144・・・の数列}始めの2つの1を除いたこの数列のそれぞれの数は、その一つ前の数と二つ前の数との和になっています。
この数列は自然界の色々なところ(例;パイナップル、松ぼっくり、ひまわりの種の螺旋状)に見出すことが出来るとのこと。
 ③フィボナッチ数列と黄金比との関係ーフィボナッチ数列はとなり合う二つの数の比は黄金比に限りなく収束する説明があり、最後にフィボナッチ数列を使った計算マジックがありました。